米求人件数減少、21年1月以来の低水準-レイオフ増加
(ブルームバーグ): 米国の求人件数は9月に減少し、2021年1月以来の低水準となった。一方でレイオフが増え、労働市場の減速と整合する内容となった。
求人件数は過去2年の大半において減少傾向にあり、今回の統計では幅広い業界での減少が示された。9月のレイオフ件数は23年1月以来の高水準に増加。自発的離職者の割合である離職率は低下し、新しい職を見つける自信が薄れていることを示唆した。
他の経済指標では、労働市場と経済がなお堅調であることが示唆されており、11月6-7日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)会合での大幅利下げ見通しは後退している。この日発表された10月の消費者信頼感は1月以来の高水準となった。
FOMCに先立つ同月1日には10月雇用統計が発表されるが、ボーイングでのストや2つのハリケーンの影響により、データの評価が難しくなる可能性がある。非農業者部門雇用者数の伸びは9月に比べて大幅な鈍化が見込まれている一方、失業率は4.1%で変わらないと予想されている。
9月求人件数の減少は、職種別ではヘルスケア・社会補助、政府機関、宿泊や飲食サービスで目立った。
米金融当局が注視する失業者1人当たりの求人件数は1.1件と前月から横ばい。2022年のピーク時には2件だった。
今回の統計で明るい内容となったのは雇用率で、3.5%と5月以来の水準に回復した。ただ、直近のピークを付けた2021年からは総じて下降トレンドにある。
米労働省雇用動態調査(JOLTS)の詳細は表をご覧ください。
原題:US Job Openings Decline to Lowest Level Since Early 2021(抜粋)
--取材協力:Chris Middleton.
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Jarrell Dillard