蓮舫氏、公約会見で小池都政の「リセット」封印 批判トーンを抑制「良いものは引き継ぐ」
東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)に立候補する蓮舫参院議員=立憲民主党を離党=が18日、「7つの約束」と銘打った公約を打ち出す記者会見を開いた。これまで蓮舫氏は、3選を目指して出馬する小池百合子都知事を「リセットする」と対決姿勢を鮮明にしていたが、小池都政の少子化対策や予算編成プロセスの透明化を一定評価した上で発展継承する考えも示した。小池氏への批判のトーンを抑えた形となった。 【写真】「最近問い合わせが多い」という蓮舫氏のグラビア写真集(1989年発売) ■「全部リセットではない」 「当然良いものは引き継ぐ。そうではないものはリセットするとの思いで、出馬会見の時に使わせてもらった。なにか全部リセットするかのような解説をされる人もいたので、あえて表現は今日は使っていない」 会見の終盤、蓮舫氏は記者から「きょうの公約発表で『リセット』のワードを使わなかった」と疑問を呈されると、こう説明した。 蓮舫氏は5月27日に出馬表明した際、「小池都政をリセットする」と繰り返し、平成28年の都知事選で小池氏が公約に掲げた満員電車の解消など「7つのゼロ」も未達成だと厳しく批判した。小池氏が都議会自民党に対決姿勢を示していたにも関わらず、最近都内の地方選で自民と連携していることを挙げて「変わり身の早さについていけない。自民党政治の延命に力を貸す小池都政をリセットする先頭に立つ」と強調していた。 今月18日の会見で、蓮舫氏は「リセット」の言葉を封印した上で、小池氏が進めた「高校教育の無償化」について「評価する。でも実際の学校(環境)を改善することには敏感ではない」、小池氏の行財政改革については「デジタル化も進めた。率直に評価する。でも私ならもっと前に進める」と「評価」の言葉を織り交ぜた。 ■幅を持たせた柔軟な都政運営か 批判のトーンを弱めた背景には、都知事に就任した場合、行政の継続性を考慮した都政運営を行っていく姿勢を印象付ける狙いがあるとみられる。 都知事に就任した際、少数与党として臨む可能性が高い都議会運営についても「議会とは丁寧に対応する。この一点に尽きる」と述べるなど、各会派と意思疎通を綿密にしたい考えを示した。