島田麻央がシングル史上初の4連覇「1番緊張する大会で優勝できて嬉しい」 男子は“三冠王”掲げる中田璃士が逆転で初優勝【全日本ジュニア】
躍動した女子ノービス勢
全日本選手権には選出されていないが、今大会で輝かしい成績を残したノービスの2選手も紹介。 ノービスA1年目の宮﨑花凜が大ブレイクした。 ショートでは去年の『チャルダッシュ』で会心の演技を披露する。冒頭3回転ルッツー3回転トゥループの連続ジャンプを華麗に決め、ガッツポーズも飛び出した。 60.60点をマークし、ショートで6位となり、フリーで最終グループ入りを果たした。 迎えたフリーでも弾ける演技で会場を魅了する。3回転ルッツなど高難度ジャンプを含む7つのジャンプを全て着氷させた。 自己ベストを10点以上超える112.17点をマークし、全体9位で終えた初の全日本ジュニアの舞台。「両方ノーミスできたことが信じられない感じ」と素直な喜びを語った宮﨑。 「上手なお姉さんたちと一緒にできて、今後にもつながるんじゃないかなと思いました」と話す宮﨑は、今後トリプルアクセルの習得にも意欲を見せる。 もう一人は、今年10月の全日本ノービスで3連覇を達成した金沢純禾だ。 ノービスラストの金沢は、2度目の全日本ジュニアで盤石の強さを見せる。ショートは片手側転が見どころの『カンフーパンダ』。 加点のつく出来栄えでジャンプを全て成功させ、スピン3つ全てで最高評価のレベル4を獲得する。 7位で折り返したフリーではミスはあったものの、冒頭の高難度ジャンプを完璧に決め、笑顔で演技を終えた。来季のジュニアデビューに期待したい。
【男子】中田璃士が初優勝
男子は上位8名が全日本選手権へ推薦された。 昨季世界ジュニア銀メダルの中田璃士が、逆転で大会初優勝。 ショートはステップやスピンで取りこぼし77.92点と2位となるが、フリーでは「4回転トゥループは自信があったので自信をもっていけました」と話すように、冒頭の4回転トゥループを高い加点で成功させる。 3回転アクセルが1回転になる以外は大きなミスはなくまとめて総合で1位になり、家族が守る中で念願の初優勝を飾った。 父の中田誠人コーチは涙しながら中田を抱きしめ、会場も大きな拍手が響いた。 今年の目標に三冠王を掲げる中田。 まずは一冠、そして2週間後に控えるJGPファイナルの活躍も期待したい。 2位はジュニアグランプリファイナル出場を決めている高橋星名。 今季出場した試合ですべて1位になっている得意のショート。この試合も会心の演技を見せて首位発進した。 しかし最終滑走となるフリーは冒頭の3回転アクセル―3回転トゥループを3回転アクセル―2回転トゥループと回転不足になってしまう。 3回転ループもシングルになるなど得点を伸ばせず、フリーは133.71点で4位だったが、ショートで1位だったこともあり2位で初の表彰台となった。 「最終滑走はすごく緊張するものなので、実力を出せなかったのはすごく悔しいけれど、最後まであきらめずに頑張ることができた」 12月に初となるジュニアGPファイナル、そして2度目の全日本で奮起を期待する。 3位は西野太翔。 「全日本ジュニア優勝」を目指し挑んだ今大会。ショートはノーミスで3位に。 「絶対決めたい」と挑戦したフリー冒頭の4回転サルコウは転倒してしまう。 後半の3回転アクセルも着氷が乱れて手をついてしまったことで点数を伸ばせずフリーでは5位となったが、総合で3位となり初の表彰台となった。 12月の全日本選手権について「4回転サルコウ、リベンジしたい」と熱く語った。 4位は植村駿。 選手宣誓を務めた初めての全日本ジュニア。 今季から投入した3回転アクセルをショートとフリーの冒頭に跳び、ともにきれいに着氷。初の全日本ジュニア出場からの全日本出場獲得と大ブレイクとなった。 5位は朝賀俊太朗。 7年連続7回目の全日本ジュニア出場で、遂に全日本出場権を獲得。 今季、5年かけて初めて成功させた3回転アクセルをフリーで着氷させ、フリーでは3位の135.75点をマークする。 キスクラでは嬉しさのあまり感情を爆発させるなどしていた朝賀は、念願の舞台へ初めて挑む。 6位は垣内珀琉。 ケガを抱えながらのラスト全日本ジュニア。シニアを見据え構成を下げ、演技構成点で勝負した。 “ラスト全日本ジュニア”を見届けるために田中刑事コーチも見守る中、今できる最高の演技を披露する。本人も驚きの全日本出場権を獲得した。 7位は森遼人。 ジュニア2年目の森はショート1番滑走でノーミス演技と、良い流れを作った。 ショートとフリーともに冒頭の3回転アクセルを決め、初の全日本への切符をつかんだ。 8位は蛯原大弥。 ショートは3回転アクセルを失敗してしまい、8位と出遅れる。 フリーも今季挑み続ける3回転アクセル2本と4回転トゥループは成功ならずも、その後崩れることなく演技をまとめた。 「思い切ってやるしかないって思ったので、もう思いっきり行きました」 結果はフリーも8位で総合8位となり、最後の全日本への切符を勝ち取った。 【男子】 1位 中田 璃士(TOKIOインカラミ)220.47点 2位 高橋 星名(木下アカデミー)212.99点 3位 西野 太翔(神奈川FSC)208.49点 4位 植村 駿(ユニバースFSC)206.92点 5位 朝賀 俊太朗(関西大学)201.00点 6位 垣内 珀琉(ひょうご西宮FSC)187.93点 7位 森 遼人(MFアカデミー)184.82点 8位 蛯原 大弥(駒場学園高校)184.23点