いまだに自宅傾いたまま…「傾きを感じながらも我慢している」能登半島地震1年【新潟・西区】
能登半島地震から1年が過ぎました。 液状化の被害が深刻だった新潟市西区では自宅が傾いたまま暮らし続けている人たちもいます。被災地の今を取材しました。 【動画】いまだに自宅傾いたまま…「傾きを感じながらも我慢している」能登半島地震1年【新潟・西区】 ■柿木哲哉 記者 「新潟市西区の寺尾地区では地震から1年が経過した今も道路が隆起していて液状化の痕跡が残っています。住民の方によりますと、このあたりは半数近くの人が自宅を離れているということです」 地震から1年が過ぎましたが、住宅の復旧作業は今も続いています。 ■田中裕介さん 「隣に住んでいる母にも影響があるということで塀の工事などいろいろ進めている」 田中裕介さん(59)は地震の影響で築33年の自宅が傾きました。 ■田中裕介さん 「2階が多少の傾きを感じながらも我慢している感じ。(また地震が起こらない)か)不安はありますね常に。トラウマ」 隣の家に住む母のためそのまま住み続けることを決めましたが、金銭面を考え、傾きを直す工事は諦めました。 ■田中裕介さん 「できれば全部やってしまいたいけど、それ(我慢)しかない」「一刻も早く日常生活にもどるために、皆さんがんばっていると思うけど僕らもその波にのりながらという気持ち」 県内の住宅被害は、2万4000棟余りにのぼり、このうち1万7000棟余りを新潟市が占めています。また、この1年で西区の人口は1670人あまり減少しました。 寺尾地区にあるホテルでは、液状化被害で本館と別館の3棟が傾きました。杭をうつなどして別館の工事を終え、現在、本館の建て替え工事をしていますが、去年11月にある出来事が。 ■ホテル寺尾 勝島猛代表 「大雨が続いたために、ブロック塀が割れて膨らんできたことは確か。水も流れてきた」 2月に工事を終える予定でしたが3ヵ月ほど工期が伸び客足の受け入れにも影響があるといいます。 ■ホテル寺尾 勝島猛代表 「(2月に)新潟大学の受験生、20人ぐらい泊まってもらっているが、今年は少ない人数しかお受けできないために、申し訳ありませんとお断りしています」 工事代は合計で1億3500万円ほど。そのうち1億円は銀行からの融資を受け15年で完済する予定です。 ■ホテル寺尾 勝島猛代表 「1億ですからね。私の残りの人生かけて返しきれるところかというところ」「建物ができて、お金を返済していくという1歩1歩の年になりそう」