<街ぶら>奈良・大和郡山で人気のソースかつ丼店が閉店へ ── タレント南かおりの実家、惜しむ声多く
南かおりの実家は福井のソースかつ丼の店 小鉢たちも THE PAGE大阪
リスナー憩いの場が3月で閉店へ──。ラジオ関西「青春ラジメニア」や関西テレビ「買物生活ほんでなんぼ?」などで活躍中のタレント南かおりの実家で、奈良県大和郡山市にある「福井のソースカツの店 AOSSA」が3月いっぱいで閉店する。南のファンやラジオのリスナー、地元の市民らでいつもにぎわい「奈良で福井の味が食べられる」とネットなどでも話題となっていた同店が、南の母親で店主の久美子さん(67)は「新しいことにチャレンジしたいんで閉店します。3月いっぱいがんばります」と話している。
「地元に何か還元したい」と開店、口コミでお客さん増える
同店は今から5年前に開店。久美子さんは長年、公務員として働いていたが、今から7年前に定年退職。その2年後に、突然「ソースかつの店をやりたい」と思いたった。久美子さんは「ずっと大阪勤めで、この地元である郡山とのつながりが希薄でした。そこで何らかの形で郡山に何かを還元できたらと思って店をやろうと決めました」 久美子さんは福井県福井市出身。そこで、自分の故郷の名物のひとつである「ソースかつ」を出したいと思い、つてなどを頼り福井市でソースかつのプロに基本を叩き込んでもらった。また、福井市内に住んでいた妹の武井和子さん(64)も大和郡山市へ引っ越し、一緒に店を切り盛りすることになった。 そして2010年に「福井のソースカツの店 AOSSA」は開店した。屋号である「AOSSA」は、福井の方言で「会いましょう」の意味である「あおっさー」からとったという。 開店後は、久美子さんが「地元へなにか還元したい」という思いが届いたのか、地元の大和郡山市民が気軽に来店した。地元ではなかなか「福井の味」を味わえない。ちょっぴりピリ辛の秘伝ソースに口に入りやすい厚すぎず薄すぎない、ちょうど食べやすいカツは人気を呼び、月日を重ねていくうちに、口コミで「ソースかつがうまい」という噂が広まったという。
南のファンも多く来店、地元にも愛されにぎやかに
そして、南が担当するラジオ番組「青春ラジメニア」のリスナー、通称「ラジメニアン」など多くのファンも噂を聞いて足を運び、SNSなどを中心に「南かおりの実家のソースかつ丼がうまい」などの書き込みも広まった。ソースかつのほかにも「おろしそば」や「へしこ茶漬け」といった福井の郷土料理も提供し、人気を集めていた。 また、それらの料理につける「小鉢」の家庭料理も人気を呼んだ。「最初は1品だけ、小鉢のおかずをつけてたら『これおいしい』『もっとほしい』ってリクエストを頂いてたくさん作りました」と久美子さん。それに南が「小鉢たち」と命名したことからさらに人気が広まり、付け足していったら7品にまで増えたという。 「たくさんの人が来てくれて、私なんかいっぱいお友達できたもんね」と和子さん。子どもからお年寄りまで、味を楽しみながらゆっくりできる「憩いの場」としても親しまれた同店だが、3月で閉店することになった。