「専業主婦」「妻がフルタイムの共働き世帯」世帯年収と貯蓄の違いを一覧表で比較!年収アップだけでは家計改善ともいえない
専業主婦世帯と共働き世帯で「年収・貯蓄額」はどう変わる?
前提として、「専業主婦」「共働き世帯」の選択理由は家庭によって異なります。本人の希望や事情などはさまざまです。 ただし、気になる点として「お金」を挙げる方は多いです。確かに気になるポイントですよね。 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、それぞれの家庭の平均的な世帯年収と貯蓄を確認しましょう。 ●専業主婦世帯の「年収・貯蓄額」 ・世帯年収694万円 ・貯蓄1678万円 ・世帯主の年齢50.9歳 ●夫婦共働きのうち世帯主が夫の世帯(妻が勤労者で勤め先収入が8万円以上) ・世帯年収877万円 ・貯蓄1401万円 ・世帯主の年齢48.6歳 ●夫婦共働きのうち世帯主が夫の世帯(妻が勤労者で勤め先収入が1円~7万9999円) ・世帯年収746万円 ・貯蓄1330万円 ・世帯主の年齢49.2歳 平均年齢はいずれも50歳前後となっていますが、共働き世帯の方が若干若いようです。 世帯年収は、妻の給料が上がるほどに高まります。妻がフルタイムと想定される「勤め先収入が8万円以上」では、世帯年収が平均で877万円となりました。 世帯年収をあげるには、妻の就労がカギになることがわかります。 しかし、家計全般を考えると単純にそうともいえないのが「貯蓄」の項目からわかります。 実は、貯蓄が最も多いのは専業主婦世帯なのです。妻がパートタイムと考えられる世帯が最も少ないという結果になりました。
夫婦共働きでも貯蓄が貯まらない原因
前提として、夫婦共働きでも上手に家計管理ができている世帯や、専業主婦世帯でも貯蓄ができていない世帯などさまざまでしょう。 ただし、「共働きだから貯蓄額がアップできる」わけではないことは、統計から読み解けます。 なぜ世帯年収があがっても貯蓄に直結しないのでしょうか。 要因はさまざまですが、ひとつに支出の高まりが考えられるでしょう。 総務省の調査においても、消費支出は専業主婦世帯よりも共働き世帯が多くなりました。 ただし、共働き世帯の方が収入は高いので、そのやりくりのバランスが結果的に貯蓄に影響しているのでしょう。 妻が働くことで時短グッズや家事代行などに頼る場面が増え、必然的に支出が高まることが考えられます。 外食や惣菜などの利用回数が増えることもあるでしょう。 一方で、妻がパートタイムの場合は有給付与日が少ないこともあり、子どもの学校行事や病欠に「欠勤」で対応せざるを得ない場面もあり、収入を増やしにくいということもあります。 子どもが小さいうちは頻繁に体調不良となりますが、休んでも保育料は満額を支払います。給料は減ってしまうため、自分の給料よりも保育料が上回る…という月は筆者も何度か経験しました。 世帯年収をあげるために働いても、支出が高まれば貯蓄を増やすことは難しいです。 もちろん理由は一つではないにしろ、年収と貯蓄から読み解ける実態には興味深いものがあります。 実家の支援があるのか、有給や看護休暇が充実している職場なのかなど、さまざまな視点から働き方を検討しないと、年収や貯蓄をあげることは難しいのかもしれません。