オフィス彩る障害者アート 「七福art」宇部で貸し出し第1号【宇部】
障害のある作家が描いた絵をオフィスや店舗などに飾るアートレンタル事業を展開する七福art(松村瞳代表理事、光市室積)は、税理士法人やまぐちパートナーズ(河口雅邦統括代表社員、宇部市東本町1丁目)が宇部での貸し出し第1号となったのを機に、レンタル事業の普及や作家の紹介を広く呼び掛けている。 七福artは、昨年度の「やまぐち社会起業塾」(県主催)を修了した松村代表理事が今年4月に立ち上げた。就労継続支援B型事業所の支援員として働いたことが起業のきっかけ。障害者の才能を発掘、育成し、社会参加や収入支援につなげて、生きがいを持って働ける環境づくりを目指している。 アートレンタルは、登録している作家の作品の複製画を貸し出す。多様なサイズ(四つ切り、大全紙、F30号など)から選ぶことができ、契約は1年単位。3カ月に1度の交換(展示替え)となり、設置から回収まで七福artが行う。レンタルサービス料は月7000円から。 現在、県内の登録作家は10人で、これから増やしていく。ネットワークを通じて、全国各地の作家の作品も提示できる。市外のスーパーなどでレンタルや展示が始まっており「お客さんからとても好評」「オフィスが明るくなった」「会話が生まれ、交流が広がる」との声が聞かれているという。 やまぐちパートナーズの玄関には、岩国市在住の女性作家によるF30号の作品が飾られている。河口統括は、同起業塾の最終発表で審査員を務め、アートレンタル事業に関心を持った。自社のイメージカラーのブルーを基調とし、見た人の気持ちが明るくなる絵を依頼。「希望通りの絵を飾ってもらい、大変満足。アートレンタルが広がり、もっと優しい地域社会になってほしい」と願う。 松村代表理事は「障害があっても、その人らしい表現で社会参画できることを知ってほしい。また、個性や能力を伸ばし応援する取り組みであるアートレンタルの周知に努めていきたい。作家を知っている人は紹介して」と呼び掛けている。 アートレンタルの申し込みや問い合わせ、作家の紹介は七福art(電話070-6693-2543)へ。