キャプテンの中村が1G1A!学校創立100周年の堀越が初のベスト4
「ゴールが決まった瞬間は、うれしいというよりビックリしました」 堀越のキャプテン、FW10中村健太(3年)は、こういって自身の”スーパーゴラッソ“を振り返った。 【フォトギャラリー】堀越vs佐賀東 19分、逆サイドから大きく展開されたボールを右サイドで受け、周囲の状況をうかがうようにドリブル開始。プレーの選択肢が、いくつか浮かんだが、最終的に選んだのがシュートだった。 「最初は味方のサポートを待とうかと思いましたが、カットインからのシュートをずっと練習してきたので、なかにボールを運んだとき、打ってみよう、と。ほとんどゴールは見ていません。もう感覚でした」(中村) 自主トレの積み重ねが選手権の大舞台で、実を結んだ。ゴールまで、およそ20メートル。左足で巻いたボールが、きれいな軌道を描きながらゴール左上に吸い込まれた。右利きの中村が左足で決めた会心の一発だった。 攻撃の手を緩めない堀越は、67分に追加点を奪い、佐賀東を突き放す。ゴールのお膳立てをしたのが、中村だった。右サイドからディフェンスラインの背後にボールを供給。そこにMF14仲谷俊(2年)が走り込み、落ち着いて決めた。 だが、試合はこれで終わらない。一矢報いるべく、前がかりになって攻める佐賀東が73分に1点を返す。MF16右近歩武(3年)の左からのグラウンダークロスを、その2分前に交代出場していたFW12田口大翔(3年)が左足で突き刺した。 初の8強入りを果たし、新たな歴史を刻む佐賀東は、その後、クロスバーやポストを叩くなど、あと一歩のところまで攻め立てた。だが、悲願の”国立“を目前にして涙を飲む。 終盤の猛攻をしのいだ堀越は、初のベスト4進出。佐藤実監督は「新しい景色を見ようと、選手たちが本気になって、日々、努力してきた成果が出ました。学校創立100周年に明るい話題を届けることができました」と、喜びを語った。 この勢いのままに、目指すは初の決勝進出だ。対するは、2年連続3回目の出場にして初の4強入りを飾った近江(滋賀)。1月6日、聖地・国立で14時20分にキックオフされる。 (文・写真=小室功)