16歳の飛ばし屋を意識 日本屈指の長距離砲・河本力がヒヤヒヤ
<バンテリン東海クラシック 初日◇26日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71> 河本結、伝説の初V大号泣【写真】 2年前のチャンピオン・河本力は4番でダブルボギーを叩くなど、前半で3オーバーとつまずいたものの、後半に巻き返し「70」とスコアをまとめ、1アンダーの29位タイ発進となった。予選ラウンドは「日本アマ」を最年少で制した飛ばし屋の松山茉生(福井工大福井高1年)と同組。初日はスコアでも、飛距離でも上回り、プロの貫録を示した。 全身の凝りからくる腰痛で火曜日の練習ラウンドをわずか2ホールで切り上げた河本は「その日にトレーナーさんのケアを3時間受けて、昨日のプロアマも18ホールプレーできたんですけど、前半はなかなか思うようなプレーができず、逆球が多く出ていました」。4番パー4では第1打を左の崖下に落としてダブルボギー。前半は1バーディ・2ボギー・1ダブルボギーという内容だった。 それでも、河本にはパー5で取り返す力がある。1つスコアを戻して迎えた12番パー5では左ラフから231ヤードを6番アイアンでピン奥3メートルにつけてイーグル奪取。これでイーブンパーにスコアを戻すと、終盤の17番でバーディを奪い、しっかりアンダーパーでホールアウトした。 一方で悔やんだのは15番パー5のプレー。右のラフからレイアップした2打目を左サイドの池に落とした。「46度のウエッジで池に落として、立ち直れないぐらい落ち込んでしゃがみこんでいたら、キャディに『力さんの番です』って言われました。あれはプロじゃなかった。引っ掛けても、フライヤーしても池には入らないクラブを選ぶべきでした」。残り92ヤードの4打目をピタリとつけてパーをセーブしたものの、反省の弁が続いた。 同組のアマチュア・松山については「16歳であの飛距離はやばいですね。ボクの16歳よりは絶対に飛んでいます」と絶賛。一方で「全部マックスで振っている感じでしたね。自分も大学生まではそうだったんですけど、今はコントロールして振っているので」とまだまだ負けないというプライドもチラリ。7番、16番が対象となったドライビングディスタンスでは河本が316.78ヤードで全体5位。松山は305.50ヤードで18位だった。 2人はともに3日目のラウンド後に行われるドライビングコンテストに参加予定。「アマチュアでも優勝したら50万円もらえるんですか? 高校1年生の50万円って、ものすごい大金でしょう。もう持っていってほしいな。自分だったら現金で学校に持っていくと思う(笑)」。将来的には自分を上回るかもしれない飛ばし屋で新星の登場は大いに刺激になっているようだ。(文・田中宏治)