女子美大付属中の140人が布良でスケッチツアー 館山(千葉県)
館山市布良にある「青木繁『海の幸』記念館・小谷家住宅」周辺で15日から3日間、女子美術大学付属中学(東京・杉並区)の2年生約140人が「スケッチツアー」を行った。16日には、地元の青木繁「海の幸」記念館を保存する会のメンバーらが協力し、同館をはじめ3カ所で生徒らが布良の風景をスケッチした。 ノーベル生理学・医学賞受賞者で、同大名誉理事長の大村智氏が芸術に造詣が深く、画家の青木繁が過ごした小谷家住宅の保存活動に尽力した縁で始まったスケッチツアー。実際に自然風景を見て、その時々に感じた様子や雰囲気を表現することを目的に行っている。2018年から始まり、コロナ禍もあって5年ぶり、3回目の開催となった。 生徒らは15日に布良に到着し、同館、布良崎神社、布良漁港の3カ所を訪れ、描きたい風景を選択。実際にスケッチをした16日は、思い思いの場所に腰をおろし、下絵を描き、水彩絵の具で着彩までを行う工程で、約6時間をかけて取り組んだ。 漁港では、防波堤から洲崎方面を描く生徒や、船揚げ場からの風景を捉えた生徒など、さまざまな視点でスケッチに取り組んでいた。 上村仁己さんは「海にも山にも囲まれていて、景色がとてもきれい。天気が変わりやすく難しいが頑張って描き上げたい」と笑顔。山本埜乃華さんは「(布良は)時間の流れがとてもゆっくりに感じる。この雰囲気を表現したい」と意気込んでいた。 小谷福哲館長(73)は「5年ぶりに生徒さんたちを迎えられて良かった。青木繁の愛した布良を選んでくれたことをうれしく思う。協力してくれた区長をはじめ地区の皆さんに感謝したい」と話していた。