足元みられてるのに…評論家・石破茂、トランプは「不安や緊張を抱かせて、取引を仕掛ける手法」「日本から色々提案」過去発言!現実とのギャップ
石破はトランプに足元をみられる
だが、間違えてはいけないのは首脳外交は個人的な関係もさることながら、一国を背負っている以上は基盤が安定しているのかどうか「足元」も見られるという点にある。 石破首相が率いる自民党は先の衆院選で大幅な議席減となり、公明党との連立与党でも過半数割れという大惨敗を喫した。衆院予算委員長ポストは野党第1党の立憲民主党に譲らざるを得ず、国民民主党など野党議員の協力がなければ予算が成立できない状況にある。政権運営が不安定化する中、相手国の首脳が石破首相を信頼できるパートナーと見てくれるのかどうか。安倍首相時代は国政選挙で連勝を重ね、強固な基盤があったからこそ首脳外交でリーダーシップを発揮していた点を忘れてはならないだろう。 こうした点を踏まえれば、石破首相とトランプ氏の関係は、あえて「従属的な関係」とまでは言わないが、これから上から目線で「これやれ、あれやれ」と高い要求を突きつけられる可能性があると言える。アジア版NATO構想や日米地位協定の改定といった提起もできず、初の日米首脳会談では「緊密な日米関係を確認した」というレベルで終わるのではないか。
日本経済への影響は極めて大きい
これまでのトランプ氏の言動を見ると、2025年1月にスタートする第2次トランプ政権は日本経済に与える影響が大きいことがわかる。トランプ氏は法人税・所得税の減税や規制緩和といった政策を推進し、インフレ再燃の懸念から為替は円安・ドル高を招く可能性がある。米連邦準備制度理事会(FRB)は11月7日に政策金利を0.25%引き下げると決めたが、新政権発足後は利下げペースに影響を与える可能性があるだろう。 加えて、トランプ氏はターゲットにする中国からの輸入品に高関税を課す意向を重ねて示している。それ以外の外国製品にも一律10~20%の関税をかける計画で、それらが実現することになれば日本経済への影響は極めて大きい。厳格な保護政策強化によって日本の自動車メーカーをはじめ、多くの業界は大打撃を受ける可能性が高い。 中でも中国経済が急減速すれば最大の輸出相手国の日本へのダメージは計り知れない。世界経済の不透明感が強まり、市場は読みにくい局面を強いられる。貿易赤字解消を目的にトランプ氏は様々な要求を突きつけ、日本には対中包囲網を念頭に在日米軍基地に関する負担増を求める可能性は高いだろう。