【最終回】『この世界は不完全すぎる』タイトル回収の見事な神回 この連載は不完全すぎる
『しかのこ(再)』第1話再放送の番組情報でも魅せるサービス精神
最近の1クールアニメは12話で完結し、TV放送において残り1話分の枠は再放送となることが増えている気がします。以前は温泉回を始めとするサービス回や声優さんが登場する特番の放送もあった気がしますが、予算の都合などもあるのでしょう。 その1話分の再放送で、神回的な特別なエピソードがセレクトされると筆者はかなりうれしいのですが、残念ながら順当に第1話が再放送されることが多いのが現状。『しかのこのこのここしたんたん』も例によってその通りだったのですが、番組情報に「何故か帰ってきたのこたん!」などと入れてギャグアニメとしての矜持を見せてくれました。さすがこの夏、あの手この手で視聴者を楽しませようとしてくれた『しかのこ』。 どうせならこの再放送内で本放送時との違いや何らかの新情報の発表を見せてくれたら最高でしたが、それは欲しがり過ぎでしょうか。
『このふか』第13話「名は体を表す」というか「体で名を表す」というか
最後はVRゲーム内のファンタジー世界が舞台の『この世界は不完全すぎる』の最終回です。デバッグ(バグチェック)を生業とする主人公のハガが、ログアウトできなくなったゲームから脱出しようとするという一風変わった本作。そんな設定だけあって、これまでも普通のアニメではなかなか見られない絵面や様子のおかしいエピソードが多々ありこの連載でもいつか取り上げたいと思いつつ最終回を迎えてしまったのですが、その最後がとんでもなかった! 物語の終盤でハガがなぜか地下1000階のダンジョンにワープ、までは「こんな急展開して最終回でちゃんと終わるのか?」ってな心配をする程度でしたが、その後現れたダンジョンボスのサイレンスを倒すことに成功します。その間にはほかのキャラクターの描写もありつつ、晴れてエンディングに突入……したと思ったらCパートでボスが超巨大な男性器のような第2形態になって復活! ハガたちの戦いはどうなる!? というところで番組は終了! 未見の人も、このCパートだけでも観てもらえればそのすさまじさが伝わるはず。最後の画面には「『何がto be continued?』だ!」とツッコミたくなるほどあまりに唐突な幕引きで、ここ数年では『アルスの巨獣』最終回クラスの驚きです。 普段はこういったネガティブっぽい話題に本連載では触れないのですが、この最終回については公式のXでも「#このアニメは不完全すぎる!? と思った方は、是非、原作をチェック」と言及しているため、ネタにしてもいいのでしょう。アニメとして不完全にすることで作品として完全にする……潔く、見事なタイトル回収でした。 そんな“破れかぶれ”さが見事だった『このふか』最終回の紹介をもって本連載もひとまず終了です。秋クールも続けられたら2024年アニメ全体をカバーできたので、「#この連載は不完全すぎる」感もありますが、これまで読者のみなさんに未知の神回を1話でも紹介できていたら幸いです。今後も神回に立ち会うのを楽しみにしながらアニメを見続けましょう!
はるのおと