能登を応援し歌うメッセージ動画 地震に豪雨と続く困難にも「折れてもしゃーない」前を向く石川・珠洲市の若者
元日の地震以降、真脇さんが感じていたのは子どもたちの笑顔が持つ力です。 さまざまな理由で苦しい思いを抱える人たちを元気づけるため、全国の小学校や保育園に呼びかけ、新しい動画の制作をスタートしました。 しかし、思いもよらぬ困難が再び訪れました。 ■地震に続き豪雨… 動画の公開は延期も「折れない心」 9月21日、能登地方を豪雨が襲いました。土砂崩れや川の氾濫が相次ぎ、珠洲市でも街に水が溢れました。 「(車の)天井まで浸かっとんげんて、やばいよほら」 真脇さんは車のコーティング業を営んでいますが、工場がある珠洲市若山町は川の氾濫で高さ1.5メートルほどまでが水に浸かり、所有する代車5台が濁流にのまれました。 真脇魁さん「高さでいったら一番。この辺(珠洲市で)一番浸かったんじゃないかな。1.5メートル以上あったし、一階が浸かるくらい、ここら辺プールやったし全部」 当初、新しい動画は、10月1日の公開を予定していましたが、真脇さんの工場に置いていた編集用のパソコンは流され、公開の延期を余儀なくされました。 能登を襲う二重災害。それでも、真脇さんの心は前を向いています。 真脇魁さん「連続して(災害が)起きているし立ち直れないみたいな人は多いかな。地震の後から仕事できて立ち直っていくというか巻き返していくというか、そんな時に豪雨に遭ったし、被害は出たけどここで折れとったところでしゃーないやん。マイナスに引っ張られてもろくなことないしね」 真脇魁さん「解体進みだしたら、雨の日は特に道路に釘とか流れやすくなって1日5件くらい(依頼の電話が)かかってくる」 公費解体が進む奥能登で、パンク修理やタイヤ交換に追われる日々。 それでも「折れていたってしょうがない」と動画の公開にこぎつけました。 折れない心を支えたのは相次ぐ災害に見舞われた「地元」への思いでした。 真脇魁さん「支援はまだまだ必要だよということも伝えたいし、被害自体だけじゃなくて、風化させないことというのも必要だと思ったし、支援に来ている人たちにも届けばいいなと思って「忘れてほしくない」と言っても、多分東日本大震災あって、東北の人たちも一緒なことを思っていただろうし、かといって俺らはその時思っていたかというとちょっとやっぱり他人事に思ってしまうような所もあったやろうし。経験者が経験していない人に伝えていくということは大事なのかなと」
地震と豪雨で経験した「甚大な被害」と「支援者への感謝」。 被災したことで大きくなった苦しんでいる人を元気づけたいという思い。 子どもたちの歌声とともにその思いは全国に響きわたります。
北陸放送