ジョージア議会選、与党が「勝利」宣言-野党は不正選挙と主張
(ブルームバーグ): 26日投開票のジョージア議会選(定数150)は政権与党「ジョージアの夢」が勝利宣言をした。野党は選挙に不正があったと主張し、国際監視団は選挙結果に影響を及ぼす不備があったと指摘。ズラビシビリ大統領は選挙結果を認めないと表明した。
選挙管理委員会によると、元首相で資産家のビジナ・イワニシビリ氏率いるジョージアの夢の得票率は約54%だった。大統領が作成した親欧州連合(EU)憲章を支持する4つの主要野党連合はいずれも議席獲得に必要な得票率に達した。これら野党連合の合計得票率は約37%。
ズラビシビリ大統領は27日の記者会見で「これは完全な不正であり、多くの国民の票がだまし取られた」と指摘。「前代未聞の出来事であり、公正な選挙を行う権利が奪われた。ロシア式の選挙だった」と語った。ただジョージアの大統領には国内政策に関する権限がないことから、選挙結果の非難はほぼ象徴的な意味合いにとどまる。
同大統領のコメントは3つの野党連合との協議を受けたものだった。これら野党連合は支持者に対し選挙結果に抗議するよう呼びかけた。
ジョージアの夢は今年5月、国民による大規模な抗議活動を押し切る形で、非政府組織や独立系メディアを標的にした「外国の代理人」法を成立させた。米欧が「クレムリンに触発された」と指摘する同法を巡り、ジョージア国内では緊張が高まっている。
選挙監視団の報告書は結果に異議を唱えるものではなかったが、選挙戦の不公平さや一部の有権者への圧力について懸念を表明した。
ミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)はX(旧ツイッター)への投稿で、不正疑惑は「真剣に解明され、対処されるべきだ」と述べた。今年下期のEU議長国であるハンガリーのオルバン首相は直ちにジョージアの夢に祝意を伝えた。事情に詳しい関係者によると、同首相は28日にもジョージアを訪問する予定。
ジョージアの夢は最初の公式開票結果発表後に勝利宣言を行った。イワニシビリ氏は26日遅くに党本部で聴衆に向け演説。「12年たっても政府が変わらぬ信頼を得ているのは珍しい」とした上で、「国民に感謝したい。われわれは国民を失望させない」と語った。