<甲子園交流試合・2020センバツ32校>抽選会 平田は長崎・創成館 鳥取城北は高知・明徳義塾 /島根
8月10日から阪神甲子園球場で始まる2020年甲子園高校野球交流試合(センバツ交流試合)の組み合わせ抽選会が8日、出場32校の主将をオンラインでつないで行われ、山陰から招待された平田(島根)は大会第2日第2試合で創成館(長崎)と、鳥取城北は大会第1日第2試合で明徳義塾(高知)と対戦することが決まった。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 ◇平田は長崎・創成館 「校歌歌うよう頑張る」保科主将 対戦相手が創成館に決まった瞬間、「おおっ」という歓声と拍手が起こった。この日は、出雲市平田町の平田高内のホールで抽選に臨む保科陽太(ひなた)主将(3年)を部員らが見守った。全国で最初にくじを引く保科主将は緊張の面持ち。選んだ「ウ」の袋に入っていたのは「2―B」のカード。創成館の主将が「2―A」を引いた。 保科主将は「今は投手と野手の連携などに不安もあるが、チームのモチベーションも上がっている。校歌を歌えるよう頑張りたい」ときっぱり。捕手の三島毅輔(きすけ)選手(3年)は「最後の試合を甲子園で、それも他県の高校とできるのがうれしい。投手陣が一番いいピッチングをできるようチームをまとめたい」と声を弾ませた。 植田悟監督(48)は創成館について「近年力を付けている学校」と評価。「精神的に守りに入ることなく、攻めの姿勢を見せたい。地域の方には、選手が躍動する姿を見てほしい」と話した。抽選会が終わると選手はすぐさまグラウンドへ。ノックで白球に食らいつき、汗を流した。【小坂春乃】 ◆平田 ◇つなぐ打線、接戦制す 先頭打者の保科陽太主将(3年)以下、単打や犠打をつなぐのが攻撃スタイル。2019年秋の県大会では強豪私学・開星を接戦で降した。中国大会ではエースの古川雅也選手(3年)が内角低めに球を集め、強打の尾道商(広島)を零封した。今春センバツでは21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場を決めていた。 野球人口減少への危機感から18年、野球普及班を結成。柔らかいボールとバットを携え、地元の子供たちに野球の楽しさを伝えるなど県内の野球部の模範となる取り組みを続ける。植田悟監督(48)は同校野球部OB。 ◆創成館(長崎) ◇守備の堅さ定評 1962年の創立・創部。甲子園には春4回(今春含む)、夏2回出場し、2018年春に8強入り。今年のチームは守備の堅さに定評があり、昨秋は4強入りした九州大会までの9試合でわずか1失策。左腕エース・白水巧投手(3年)は緩急を使って打たせて取る。打線は機動力で勝負する。主なOBに川原陸投手(阪神)ら。 ◇鳥取城北は高知・明徳義塾 吉田主将「名門、素直に楽しみ」 鳥取市西品治の鳥取城北高校舎内で抽選会に臨んだ吉田貫汰主将(3年)は、終了後に記者会見に臨み「明徳義塾は強豪で名門なので、素直に楽しみ。自分たちが甲子園で試合ができるようにしてくださった方々への感謝の気持ちを持ってプレーしたい」と意気込んだ。 山木博之監督は「明徳義塾は甲子園常連校で全国制覇もしている、横綱級の相手だ。思い切ってぶつかり、最後に勝って校歌を歌って終わりたい」と話した。明徳義塾とは監督就任以来初めての対戦になるという。相手の印象について「左腕の投手が針の穴を通すようなコントロールがあると聞いている。残りの期間で左投手対策をしたい」と警戒していた。 吉田主将はまた、11日に開幕する鳥取県独自大会に向けて「県大会は県代表として、(他校を)圧倒して一番になって甲子園に行けるようにしたい」と抱負を語った。【野原寛史】 ◆鳥取城北 ◇相手圧倒する打撃力 昨秋はチーム打率3割6分6厘の打線の活躍で中国大会準優勝を果たした。傑出した打者こそいないが、昨夏のチーム結成から中軸を任され続ける吉田貫汰主将(3年)、河西威飛(いぶき)選手(同)は長打力と選球眼を持ち合わせる。 下位打線も粘り強く、中国大会準決勝の創志学園(岡山)戦では連打でたたみかけ、相手投手を圧倒した。 投手陣は安定感を増した最速143キロ右腕の松村亮汰投手(同)を中心に、昨秋に力投した技巧派左腕の阪上陸投手(同)、力強い速球が武器の中川央投手(同)らの継投で臨む。 ◆明徳義塾(高知) ◇02年夏に優勝 1976年創立で野球部も同年創部。甲子園は春19回(今春含む)、夏20回出場し、2002年夏に優勝した。馬淵史郎監督の甲子園通算51勝は歴代4位タイ。昨秋は左腕エース・新地智也投手(3年)の粘り強い投球を強力打線が支え、四国大会を制した。主なOBにDeNAの伊藤光捕手、ゴルフの松山英樹選手ら。