面接官「転職回数、多いですね。なぜですか?」⇒“それでも採用される人”の回答【キャリアコンサルタントが解説】
転職回数が多い、非正規だった…。面接で“弱点”を突かれたとき、どのように答えるとよいのでしょうか。1万人の転職を支援してきた中園久美子氏の著書『それでも採用される! 転職面接の受け方・答え方』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、「転職に不利」を「アピールポイント」に転換するコツを紹介します。今回は「転職回数が多いのはなぜですか?」「転職のたびに違う職種なのはどうしてですか?」と聞かれた場合のNG回答・OK回答を見ていきましょう。
通常、「転職回数の多さ」は応募者の弱点になるが…
転職回数が多いと、面接官は「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」と不安になります。そのため、転職理由や前職での状況について根掘り葉掘り質問するのです。 あなたは、転職を何度もしたかったわけではなく、きっと定年まで勤めたかったはずです。どうしても続けられない理由があったのでしょう。しかし、たとえどのような理由があったとしても、面接の場で前職の悪口や苦し紛れの言い訳をしてはいけません。ましてや、転職回数をごまかしてはいけません。 これまで、さまざまな職場で培ってきた適応力と経験の豊富さをアピールしましょう。
面接官の質問:「転職回数が多いのはなぜですか」
■NG回答の例 「はい、これまで【❶何十社も応募してやっと】入ったのが最初の会社でした。しかし、想像していた【❷業務を与えられず期待されていない】と思い退職しました。その後も、何度か転職をしましたが、【❸私の能力を発揮できる職場】には巡り合いませんでした。このたび、御社の求人を拝見し、【❹今度こそ私の能力を発揮できるのではないか】と思い応募いたしました。」 × ❶⇒過去のことを正直に話してもマイナスの印象しか伝わらない × ❷⇒仕事に対して主体的でない。勝手な思い込み × ❸⇒能力がなにかわからない × ❹⇒漠然としており自己中心的な印象 ---------------------------------------- <採用に近づくヒント> 前職の悪口は言わず、謙虚な姿勢を伝えましょう。これからは転職をしないという論理的根拠と意気込みを伝えましょう。 ---------------------------------------- ■OK回答の例(1) 「大学卒業後、一貫して営業の仕事をしてきました。これまでどちらかというと、【(1)自分にとっての仕事のやりがいを大切にしてきたこと】で転職を繰り返しました。昨年、結婚もいたしましたので、今後は【(2)家族のためにも頑張りたい】と思っております。これまで【(3)さまざまな業界で身につけてきた多様な営業経験を十分に活かせる仕事】に就きたいと、御社を希望いたしました。」 ◎ (1)⇒何を大事にしているから転職をしたのか端的に表せている ◎ (2)⇒転職を繰り返さない覚悟が表れている ◎ (3)⇒活かせる経験についてアピールできている ■OK回答の例(2) 「これまで、【(1)夫の転勤に伴い】、私自身退職を余儀なくされました。現在は子供も大きくなりましたので、今後、夫の転勤がある際は、夫は単身赴任と【(2)家族間で決めています】。これまで、さまざまな企業で事務業務を経験してまいりました。そのため、御社に入っても【(3)柔軟に対応できる】と思います。【(4)RPA作業】も経験がありますのでお任せください。」 ◎ (1)⇒転職はやむを得ない事情と伝えられている ◎ (2)⇒面接官の不安を払拭する言い方ができている ◎ (3)⇒転職の経験をプラスに伝えられている ◎ (4)⇒新たなスキルをアピールできている
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