鳥居みゆきさん、43歳にして「やっと自分を見ることが嫌じゃなくなった」 理由とは|STORY
お笑い芸人としてだけでなく、俳優や小説家、絵本作家としても活躍している鳥居みゆきさん。その一方で、周りからは「変なやつ!」と言われ続け、幼少期からずっと生きづらさを抱えてきました。その鳥居さんが43歳にして、やっと自分の存在意義を見出し、「透明だった自分に色がついた」と言えるようになったのは『でこぼこポン』の出演がきっかけだそう。一つ一つの言葉に心を打たれる鳥居みゆきさんのお話です。 【写真あり】「やっと自分を見ることが嫌じゃなくなった」鳥居みゆきさんの表情
NHK Eテレの『でこぼこポン!』へのオファー
『でこぼこポン』は、発達が気になる子を楽しくサポートする、Eテレの特別支援教育番組。でこりん役のオファーが入った当初は、やっぱり私が変だから?と。嬉しかったけれど、変と思われているから頼まれたのかな?意地悪チョイスなのかな?って。けれども、そんなことは全くありませんでした。番組の方に、「でこりんは、大人でも子どもでもない天真爛漫なキャラクターだけど、苦手なこともあって、そうした、さまざまな困難を乗り越えていくお話です」と言われ、私が常に苦しんでいることと全く一緒だし、それを克服していない人間が演じて大丈夫なのか?とは思いましたが、いざ、スタートしてみると、番組を作っている人はみんな優しいし、気取っている人もいないし、一緒に学んで成長しようっていうノリ! そして、でこりんになってみて初めて、こういうことだったのか…と自分の気持ちや行動を理解できたことがたくさんあり、自分の苦しみが浄化されたように思いました。私が普段悩んでいたことは、結構みんなにもあるってことも分かりましたし、それを演じたら、視聴者からも同じような反応が返ってくるようになりました。 この間は、“自分の思い通りにならないときに、でこりんは大きい声になってしまう”という回だったのですが、そういうことは私にもあって、でも理由が分からなかったんです。でこりんの場合は、何かを間違えた時に声が大きくなるけれど…うーん、私とは違う、あ、わかった! 私の場合は、100%自分が正しいと思った時だ! 周りが違って、「自分が正しい」と思う時に大きい声になるんだ! と。この前もすごい大きい声が出ちゃった時がありまして。ラッシュの電車で、「とびら閉まりまーす」って何度も何度も繰り返して、その度に駆け込み乗車も繰り返されて…「駆け込み乗車おやめくださ~い」っていうけれど、扉が閉まるのが遅いんですよ。とっさに、「閉めて!今!」って叫んじゃった。そのタイミングで、シューって扉が閉まったのですが、声が大きすぎたからか、電車内でエコーする自分の声に、ハッとして本当に恥ずかしくなりました。声をだしている時はなんとも思わないんですよ…気づいたら口から出ちゃう。わぁ、自分に答えが出るとスッキリしますね。