「木を切る改革」大阪市の樹木大量撤去に市民からの反対の声高まる
監査請求の樹木も伐採
北田辺4公園(東住吉区)では同月15日、長居公園事務所職員が園内のコブシの伐採理由を説明したが、住民が木を残すよう要望した。同園のコブシも扇町公園のケヤキと同様、市側の樹木医は健全度について「異常あり」と診断したが、判定は「剪定または保存」であり、伐採の必要性を認めていない。 こうした樹木伐採に反対の市民運動が広がりを見せている背景には、「考える会」が市の事業見直しを求めるオンライン署名を実施し、12月7日に7013人の署名を横山英幸市長に提出するなどの運動を続けてきたことが大きい。 同月8日には「考える会」の谷さんが大阪市議会に提出した「倒木などのリスクの低い樹木の伐採延期を求める陳情書」が市議会建設港湾委員会で審議され、日本共産党の井上浩議員が伐採をいったん中止して市民の意見を聞くプロセスを踏むよう主張。だが採決の結果、維新、公明、自民の賛成多数で継続審議となった。 「考える会」の谷さんと渡辺美里さんは1月4日、扇町公園のケヤキと北田辺4公園のコブシ各1本の伐採は不当として、市監査委員に対し、伐採の差し止めと監査結果が出るまでの執行停止を求める住民監査請求を行なった。 だが、9日になって北田辺4公園のコブシが伐採された。筆者が長居公園事務所に取材すると「伐採を保留する指示が業者にうまく伝わらなかった」と回答した。
平野次郎・フリーライター