掛布が語る “掛布チルドレン”への注文
私は、2月1日から高知県・安芸で26年ぶりとなるキャンプに入った。どんな感情に包まれるのか、想像もできなかったが、南国土佐の太陽を浴びると、“和田阪神”という船に一緒に乗り込み「さあ、勝負に入っていくんだ!」という緊張感を覚えた。 秋季キャンプで教えた多くの若手は、沖縄・宜野座キャンプからのスタートという抜擢を受けた。第1クールの終わりの頃に、その沖縄にいる森田一成から電話があった。「やってきたことに手ごたえはあります。でも、まだ確率が低いんです」 彼は、秋山とのフリー打撃対決で、スタンドに放り込んだような話もしていた。私は、CS放送で沖縄の様子を少しだけ見ることができた。そこで森田のバッティングも目にしたが、秋から継続しているもの、すなわち、右の肩でボールを迎えにいくのではなく、レベルに体を使う、ボールの下にバットを入れて、角度をつけることを意識する、などについては、しっかりとした形が見えていた。だが、放送時間の関係で、伊藤隼太などのバッティングを見ることはできなかった。 秋のキャンプでヒントを与えた若い選手が、この春にどれくらいの成長を見せているのか。そこは大変気になっている。私は、今日、13日から沖縄キャンプに合流するが、滞在予定は4日間である。関川打撃コーチ、オマリー打撃コーチ補佐が、継続的に沖縄で行っている指導を邪魔するようなことはしたくない。スタッフとのコミュニケーションを密にしながら、どんなサポートができるかを考えなければならないが、4日間で、やれることは限られている。 私の考えている役割は、彼らが向かっている方向が、間違っていないか、どうかというチェックだ。新しく取り組んでいるものを根気強く継続していくことは簡単ではない。必ず壁にぶつかり、自分でもそれが正しい道なのかがわからなくなる時期はある。そういう意味で、私が客観的にチェックすることは大切だと思う。 そして、もうひとつの役割は、実戦がスタートし、そこでの結果を求められていく競争の中で若手のモチベーションを上げてやることだろう。私が行くことで、その刺激になればいい。