いよいよトーナメント戦、日体大の戦いを占う【インカレバスケ2023】
【男子】アップテンポに攻める破壊力抜群のオフェンスがカギ
12月2日から開幕した「第75回全日本大学バスケットボール選手権大会(以下、インカレ)」は、グループステージを終え、いよいよ一発勝負のトーナメントがスタートする。今回は、男女それぞれの日体大に焦点を当てて、その戦いの行方を考察していきたい。 まず、男子は関東リーグ戦で4位に着けたことでトーナメント左下のシードを獲得。初戦の相手は三谷桂司朗や小川敦也といった華やかなタレントをそろえる筑波大が有力と見る。両校は春のトーナメントに新人戦、リーグ戦、そしてシーズンの初陣となった4月の日筑定期戦と、今シーズンここまで5度対戦(新人インカレは対戦なし)。直近のリーグ戦では1次リーグで日体大(79-70)が、2次リーグでは筑波大(90-85)で勝利しており、通算成績は筑波大の3勝2敗となっている。ただ、リーグ戦のスコア差を見れば分かる通り、ほぼ力の差はない状況だ。 日体大にとってカギになるのはリバウンドとファストブレイクでいかにペースを掴むか。リーグ戦でダントツ1位の平均86.3得点(2位は山梨学院大の77.6得点)が示す通り、ハイペースでの点の取り合いになれば日体大の勝率は大きく高まる。逆にリーグ戦で敗れた6試合中5試合は平均得点以下のスコアに終わっている。この数字からも日体大伝統の走るバスケが勝利に欠かせないものだと分かる。 そのハイペースな攻めを牽引するのがPGの月岡熙だ。月岡のプッシュから西部秀馬や小澤飛悠らウィング陣が走り、ムトンボ・ジャンピエールとコネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメードの2人の留学生もトランジションに参加。外からも大森尊之や石川響太郎、早田流星といったシューター陣が待ち構えており、彼らが繰り出すダイナミックかつ的が絞りづらいオフェンスは相手にとって大きな脅威となる。 シーズンの初陣であったため、日筑定期戦の結果はあまり参考にはならないかもしれないが、リーグ戦での2戦に加えて同対戦でのスコアは82-67と、日体大自慢のオフェンスを封じ込めた筑波大が勝利を挙げている。総じて筑波大との対戦ではスコアが伸び悩む傾向にあり、これらの試合のように日体大の得点を抑えた場合、筑波大の勝率はグッと高まるということだ。 筑波大としては三谷や小川、木林優ら既存戦力に加えて副島成翔、星川開聖、坂本康成のルーキー3人も大学バスケの水に慣れ、チーム力はますます高まっている。日体大もチームケミストリーは大学界随一であり、下級生が主体のチームだからこそ4年生のコート内外でのパフォーマンスがカギを握るはず。 過去5年のインカレではベスト8の壁に阻まれている日体大。初戦に勝利して勢いに乗り、21年ぶりの優勝を飾った春のトーナメントのような爆発力で大会を駆け上がりたいところだ。