情報量が多いけど目が離せない…藤原竜也の稀有な演技力とは? ドラマ『全領域異常解決室』第2話考察レビュー
バディとして信頼が育まれていく2人の掛け合い
「全領域異常解決室」というが、いたって普通に事件を解決しているではないか…となってしまうが、気になるのは小夢の反応だ。 1話に引き続き、空気が歪んで見えた瞬間があったと話す。それに対して興玉は「全てわからなくてもいいじゃないですか」とあまり取り合わない。 そもそも、小夢は何かを見出されて異動になったわけだが、その「何か」が分からない。今回、「ダンスを一度見たら踊れてしまう」と言っていたけれど、それも関係しているのか(それはそれとしてキツネダンスがかわいかった)。 生徒たちと仲良くなる小夢を見て「相変わらずですね」と興玉がつぶやいていた。「相変わらず」と言うほど、付き合いは長くないと思うのだが…。 説としては、昔に会ったことがあるというパターンかな、と思うが、最古の捜査機関だし実は全領域異常解決室のメンバーは何度生まれ変わっても同じ人だったりしないだろうか、前世から知っている、だとか…は少し飛躍しすぎか。 ただ、それぞれの苗字は物語のキーになっていそうなのだけれど…それは少しわかりやすすぎるだろうか。 1話から2話にかけて、興玉の小夢への当たりが強くなっているのもバディ感がより強く押し出されていて、個人的に好ましく思った。小夢もしっかりと言い返しているし、関係性の変化も楽しみだ。 とにかく情報量が多いこのドラマ。それでもしっかりと頭に残るのは、藤原竜也の演技ゆえだろう。淡々と淀みなくしゃべり、耳に入ってきやすい声。さらに「この人は全てを知っているんだろうな」と思わせる余白がこのドラマへのワクワク感をアップさせてくれている。 全決の局長・宇喜之(小日向文世)や謎の女性・豊玉妃花(福本莉子)の背景も見え隠れしている。こちらにも次回以降、注目していきたい。 【著者プロフィール:ふくだりょうこ】 大阪生まれ関東育ちのライター。大学卒業後からライターとして活動、シナリオ制作やエンタメジャンルの記事を中心に執筆。ドラマと邦画、ハイボールと小説が好き。
ふくだりょうこ