侍ジャパン選出大学生4人組を「ハンカチ世代」の元プロが徹底分析! 「4人をプロのキャンプに派遣すべきだ!」
元プロが見た飛び級4人組の評価は?
続いて選ばれた選手について冨田氏チェックをしてもらった。まず金丸、中村の2投手について。153キロ左腕・金丸を高く評価している。 「投球練習から良い雰囲気で投げているのを感じました。ストレート、変化球も腕を振って投げることができています。変化球を投げると打者はタイミングを外されて、凡退になっていました。 金丸投手は打者にタイミングを取らせない投球ができています。打者の反応を見ると、投げているストレートのほとんどがファウルになって差し込まれていますし、ストレートだけではなく、緩いカーブ、チェンジアップを投げている。スキがない投手ですよね」 プロでの活躍の可能性についても、「こうしたテクニックを秘めながら左で150キロ以上のストレートを投げられる。一軍で十分に活躍できると思います」と分析した。 中村についてもこう語る。 「やはりストレートのスピードですね。最速157キロを出した試合では、ほとんどが150キロ中盤のストレートを投げることができていました。純粋にストレートの速さが凄いのと、スライダーの使い分けが上手いですよね。また私が見た試合は走者を背負う場面がありましたが、動じずに落ち着いて投げる事ができたのも良いと思います」 プロや一軍での活躍する可能性については「もちろん中村投手も一軍で活躍できるポテンシャルはあります」と評価しつつも、こう注文をつけた。 「打者が中村投手の速度に対して、あまり苦にしていないのが気になりました。金丸投手は空振りが取れていて、打者がタイミングを取ることに苦労していました。しかし中村投手はストレートが前に飛んでいることが結構ありました。課題ではありますが、逆に伸びしろで、ストレートをより速く感じさせるような技術、駆け引きを覚えたら、もっと打たれにくい投手になると思います」 富田氏の青山学院大の後輩である西川についてもエールを送る。 「ものすごい良いスイングをしています。常に振り切っているのがとても良いです。過去の青山学院大出身のスラッガーである杉本裕太郎選手(オリックス)、吉田正尚選手(レッドソックス)のようなスケールの大きい選手になってほしいと思います」 また宗山についても、定評のある守備を手放しでほめる。 「映像などをみると、守備がものすごく安定していますね。動作が柔らかいですし、スローイングが安定していて凄い。投手からすれば安心する守備だなと思います」 冨田氏は、今回代表には選ばれなかったが、もうひとり注目する大学生がいる。 「その中でも目を惹いたのが大阪商業大の渡部(聖弥)選手です。彼も凄く良いスイングをしていました。今の大学生のレベルの高さを感じました」 渡部は関西六大学でリーグ通算7本塁打、89安打を記録しているスラッガーで、大学3年には宗山、西川とともに大学日本代表にも選ばれている。