“百聞は一見に如かず”すぎる、音声AR「SARF」の没入感が結構すごい
長々と説明してきましたが、そうは言っても「音声が場所に応じて勝手に流れるだけじゃないのか」と思っていた本サービス。いざ体験してみると、この“勝手に”という部分がなかなかインタラクティブであることに気づきました。アプリを起動したままビーコンに近づくと音声が流れるのですが、この再生が自分の移動をトリガーにしてる点がかなり目新しいです。「自分が移動する→スマートフォンが移動を検知する→音声が再生される→自分が移動したことが、自分の中で再認識される」という流れが、思ったより没入感に寄与しています。
デモは殺風景な会議室で行われましたが、エイベックスが所在する西麻布周辺でもサンプルを体験できました。外だと余計にこの移動を再認識するプロセスがリアリティを帯び、なんでもない路上でひとしきり体験を強めることができました。 これがもし有名な観光地で場所に応じたガイダンスを聴取できたり、強力なIPとのコラボレーションが行われれば強い印象を得ることができそう。アニメやゲーム等の“聖地巡礼”ユースケースはエイベックス側でも想定されているようでしたが、ぜひ何かの施策で使われているところを体験してみたいと感じました。 懸念点を挙げるとすれば、スマートフォン本体スピーカーを使うとほかの参加者と干渉してしまう恐れがある点でしょうか。これはイヤホンを用いれば解決できますが、今度はグループで参加した際のコミュニケーションが損なわれそう。コンテンツを制作する側にとっては、このあたりの取り回しに手腕が問われそうです。
原修一郎