桐光学園MF萩原慶「まずは試合に出て、そこでしっかりと結果を残したい」
9月22日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関東2部の第13節が行われ、桐光学園が山梨学院高等学校に1-0で勝利を収め、勝点を17に伸ばし5位に浮上した。 【フォトギャラリー】桐光学園 vs 山梨学院高等学校 「課題はもちろんありますが山梨学院という素晴らしいチームに粘り強くやってセットプレーから決めていく今年のチームの良さを出せてよかったと思います。ピンチもありましたがチャンスも活かせて今日勝ち点3を得たことは誉めてあげたいなと思います」 試合後、時折笑顔も交えながら話した桐光学園・鈴木勝大監督。個々の選手についても労いの言葉が多く聞かれる中で、唯一、MF22萩原慶に対しての評価は辛口だった。 「彼は代表に行ってますが今日のプレーはダメです。アジア予選に呼ばれたいのであれば、もっと精度を上げていかなければいけない。やっぱり守備のところで何回か入れ替わったりとか球際の部分で負けている部分があったので、そういう部分をやっていかないと…世界の戦いっていうのはそういうところと紙一重でアジアの予選を勝ち抜けたりとか世界に出られたりとか色々あると思うので、そういった一瞬一瞬の厳しさをもっとこういう中でやってもらわないと困りますし、それが彼の成長につながっていくのかと思います」 萩原自身も「縦に全然行けなかったり、1対1のところ、球際のところで負けたりとかもあって。クロスも最近練習でだんだん良くなってきてるって感じしてたんですが、そういうところもやっぱり試合になると上手く出なくて、自分の良いところを全て出し切れなくてちょっと悔いの残る試合でした」と自身のプレーには満足していなかった。 1年生ながら入学早々からトップチームに帯同し、リーグ戦だけでなく、インターハイ本戦では全国の強豪校との対戦も経験し、U-16日本代表にも選出され、中国遠征PEACE CUPでアジアを経験した。 「ボールを持った時だけではなく、オフザボールの動きとか、守備の立ち位置とか(代表活動では)もういろんなことを学ばさせてもらいました」。桐光学園には、これまでも学年別代表や高校選抜に呼ばれ、それをチームに還元してきている多くの先輩たちがいる。萩原自身も同様に考えているからこそ、なかなかそれができないでいる自分がもどかしい。 「ピッチに立ったからには、やっぱり学年に関係なく、先輩たちの中に入っても自分がもっと目立てるくらいに自分を磨いていかなきゃいけないと思ってますし、先輩たちを引っ張るぐらいの勢いにしていきたいなと思ってます」 もちろん、萩原自身もゲームの中、プレーの中で「縦に行きたかったんですけど、そこでどんと縦に一発目で行くと、やっぱバレちゃうんで一回切り返して」だったり「スリッピーだったんで、下がよく効くかなと思ってグラウンダーで」と試行錯誤を繰り返す。また現状、得点力不足のチーム事情に対しても「自分がもっとセカンドボールのところ、球際を強くいってマイボールにして、そこから攻撃の起点を作りたいなって思っています」と意識の改革も図っている。 そんな姿勢に鈴木監督も「(色々と)できるだろうからこその希望ですし、やらないといけないところっていうのを中国に行って学んできたわけですから、それを上手く自チームで演出できるようにやってもらわないと困ります」と課題を与え、大きな期待を寄せる。 「いや、もう本当にダメダメした。もっともっと自分を成長させていかなきゃ勝さん(鈴木監督)の期待に全然応えられてないですし、今後の代表についてももっともっと成長しなきゃ呼んでもらえない」と期待に応え切れていない今の自分に萩原自身もその悔しさを表情に滲ませる。 1ヶ月後には萩原にとっての最初の選手権予選が始まる。「まずは試合に出ることが第一目標で、そこで試合に出てしっかりと結果を残したいです。ボールを持った1対1、以前(JY時代)は得意にしていたのですが、持った後の選択が高校になってよりスピードを求められていますし、守備のところでも1対1の球際のところがもっと強くいかなきゃと思っています。もちろんオフザボールの時の背後の抜け出しとか、ボックス内に入っていくところは得意としているので、そこはこれまで以上に活かして、その結果、サイドを崩したり、自分の長所を活かしながら得点に繋げられたら良いなと思っています」と話した。 端正な顔立ちとスラリと伸びた手足は弥が上(いやがうえ)にも人目を引く。壁にぶち当たり、悔しさを知り、泣いて、そして笑って…そんな経験が汗や涙とともに血となり肉となって…萩原慶はこれからもっと逞しく成長を続けていくだろう。 (文・写真=西山和広)