<藤間爽子>日本舞踊の家元も務める注目俳優 いちばん喜んでくれる母のダメ出しに言い訳も「心の中で受け止めて生かしています」
そんなすてきな女性である叶海のような存在は、自身の周りにもいるという。
「私がちょっと元気がないときに『あれ、いつもと違うけどなにかあった?』と声をかけてくれる人はいます。いかに普段から相手のことを気にかけて見ているかっていうのを感じます。
私自身は気づくタイプかというと、人並みかな。そんなに鈍感でもないし……。親しい人とかずっと一緒にいる人の変化には気づくかもしれないですね」
◇シャイで感謝を口にできないが、親がいちばんの味方
劇中で描かれる叶海と両親の関係性も、見ている人を温かい気持ちにしてくれる。藤間さん自身の親との関係も聞いてみた。
「私はシャイなので、親に『ありがとう』とかあまり言えないタイプ。年齢を重ねて、親がいちばんの味方だとつくづく感じます。誰よりもこの仕事を応援してくれて、楽しみにしてくれて、なにかあったら助けてくれる存在です。
仕事で悩んだときは、実家に帰って、母のご飯を食べて、リビングでテレビを見ていたら、自然と心がチャージされていきます」
藤間さんは、日本舞踊家として家業も仕事にしているため、「家」という意識は強く、家族との繋がりも密接だという。中でも、母の存在は大きく、俳優業を始めるにあたって背中を押してくれたと振り返る。
「私は俳優業を始めるのも遅かったので、この仕事をするかどうか悩んでいたときに、『向いていると思うし、絶対にやったほうがいい』と言ってくれたのが母でした。私が出演した作品を見てくれるし、雑誌も買ってチェックしてくれています。『この雑誌に出たよ』って知らせると、『もう買いました』って返ってきます(笑)。
私がいろいろな作品に出させていただくことを母がいちばん喜んでくれていると思います。母も俳優をしていたので、ダメ出しなど信頼できる意見もくれます。ダメ出しされると『だって……』って言い訳してしまうけど、心の中では受け止めて次に生かしています」