日本の春王者もNZチャンピオンも好発進。『サニックスワールドラグビーユース交流大会2024』開幕
ニュージーランド王者として来日したサウスランドボーイズハイスクールも、國學院栃木を35-24と破り、実力の一端を披露した。 3点を先制されたものの慌てる様子はなかった。激しいコリジョンとアウトサイドでのオフロードパスで流れを引き寄せた。 前半を14-3とリードした。 後半に入ってもダイナミックなプレーを続けた。WTBエゼキエル・ハモンド=シオロのハードなランからトライを奪ったシーンもあれば、ワイドに散らして防御を崩した局面もあった。 攻撃オプションの多いチームだ。 しかし國學院栃木の諦めぬ姿勢も届いた。 後半7分、CTB福田恒秀道が自陣から個人技を駆使して走り切ってチーム初トライを奪うと、テンポのいいアタックを積極的に仕掛けて結局、後半だけで3トライを返す。 勝ったトーマス・スペイン主将(NO8)も、「前半はうまく戦えたが、後半は相手の強さを感じた」とリスペクトの気持ちを露わにした。 國學院栃木の笹本直希主将(LO)も、「コクトチはディフェンスのチーム。前半、もっと相手を止められていたら勝てたと思う」と敗戦の中でも手応えを掴んでいた。 ニュージーランド王者と戦った体感は、この先進むべき道を示してくれた。
女子の部(セブンズ)では、ニュージーランドのマヌクラが好調だ。初日はプール戦で3勝し、2日目もいっきに頂点まで駆け上がるつもりだ。 昨年の大会では雨中戦となった決勝で敗れ、惜しくも準優勝。そのときの悔しさは忘れていない。 決定力を見せるなどチームを牽引したマイア・デイビス主将も昨年、泥だらけとなった試合に出ていた。個人としても、チームとしても、力はアップしている。 「自分たちのプレーをして今回は勝ちたい」と話す。 「昨年は最上級生が5人のチームでしたが、今年は私を含めて3人しかいません。しかし、若い選手たちがチームにエナジーを与えてくれているので楽しみです」 男女とも、大会初日から熱戦が相次いだ。 それぞれのチームがスタイルを出し合い、新たな絆を作る光景は素敵。試合後におこなわれるピッチ上インタビューを、地元の高校生がおこなう手作り感も、ほのぼのとしていて多くの人に受け入れられていた。 山の緑が気持ちいい季節に、若者たちが躍動する。それが、観客を惹きつける魅力となっている。 大会は5月5日まで続く。未来のワールドカッププレーヤーは、この中に何人いるのだろう。 (文:田村一博)