目標へと踏み出す確かな一歩(ウインターカップ2024・國學院大學久我山 村田桂次郎)
國學院大學久我山高と聞いて多くのスポーツファンが思い浮かべるのは、花園で5度の優勝を誇るラグビー部だろう。全国準優勝の経験を持つサッカー部と、メジャーリーガーを生んだ野球部も有名だ。その中で、男子バスケットボール部も1994年にウインターカップ準優勝という実績を持ち、その当時の主力であった石坂秀一(後に日本代表でプレー)と岩本真史を筆頭に竹田謙や安藤毅、信平和也、小野龍猛といった具合に、定期的に国内トップレベルの舞台に立つ選手を輩出している。 今回のウインターカップは2年ぶり17回目の出場。都予選はU18トップリーグ得点王の十返翔里を擁する八王子学園八王子に敗れて2位となったが、國學院久我山にも十返に匹敵するほどのスコアラーがいた。 ウインターカップ1回戦の相手は鹿児島代表の県立川内。第1ピリオドは29得点を奪いながら、第2ピリオドは32失点を喫し、前半は45-50でビハインドを背負う。しかし、後半に入るとエース・村田桂次郎にスイッチが入る。エースであるが故にボールを持つ機会はもちろん多く、前半だけで14得点を稼いでいたが、後半はボールを持ったタイミングで相手ディフェンスに少しでも隙を見出すと瞬時に表情が引き締まり、アグレッシブにドライブを仕掛けていった。村田は後半の20分間で23得点、合計で37得点を奪い、最終スコア99-91での初戦勝利に大きく貢献した。 「負けてても絶対に気持ちの部分を下げないようにというのはハーフタイムで意識したので、3ピリで食らいついていけたのがすごく良かったと思います。試合の入りからディフェンスをしっかりやろうというのを意識してたんですけど、川内さんの上手いセットプレーに対して苦戦してたところを、気持ちの部分だけは落とさないでやってきたので、そこで崩れずに逆転できたかなと思います」 この日の村田は37得点に加えて7アシストもマーク。キレ味鋭いドライブで相手ディフェンスを収縮させてからのキックアウトが冴えわたった。自身がオフェンスの軸として機能したことが結果につながり、村田の感触も良かったようだ。 「前半はチームに勢いがなかったので、自分がまず1本取って勢いに乗せようというところを特に意識してプレーしてました。自分が点を取って勝つというのがこのチームの勝ち方だと思ってるので、まず自分がしっかり点を取るということ。あとは自分が中に行ってディフェンスが縮まったところでシューターに3ポイントを打たせるというのがチームのコンセプトなので、それで勝てたのは良かったと思います」