「短距離王国」安田隆行厩舎が送り出す刺客ダノンザキッドにチャンスあり!? 過去”すべて馬券圏内”の得意舞台で悲願の頂点へ【マイルCS】
11月19日、秋のマイル王決定戦と位置づけられるマイルチャンピオンシップ(GⅠ、京都・芝1600m)が開催される。 【動画】激戦だった昨年のマイルCSをプレイバック ヴィクトリアマイル、安田記念(ともにGⅠ)を制して、春のマイル戦線を席巻したソングライン(牝5歳/美浦・林徹厩舎)が、先日行なわれた米国のGⅠブリーダーズカップ・マイル(5着)に参戦したため、本レースへの出走をパスしたのは惜しい。しかし、他のトップクラスがずらりと顔を揃え、激戦を予感させるメンバー構成となったことは、馬券的な楽しみは一気にアップしたと言えるだろう。 3歳時にNHKマイルカップ(GⅠ)を制し、その後も安田記念を3着、2着、3着としたシュネルマイスター(牡5歳/美浦・手塚貴久厩舎)をはじめ、昨年の本レース覇者で今年の安田記念でも2着としたセリフォス(牡4歳/栗東・中内田充正厩舎)にも注目だ。 他には、秋初戦の京成杯オータムハンデ(GⅢ)を快勝したソウルラッシュ(牡5歳/栗東・池江泰寿厩舎)は、今回”マジックマン”ことジョアン・モレイラ騎手を配してきた。今春の未勝利戦から秋初戦の毎日王冠(GⅡ)まで4連勝中の若駒、エルトンバローズ(牡3歳/栗東・杉山晴紀厩舎)も侮れない。 そして昨年はオークスで3着、秋華賞(ともにGⅠ)で2着と主に中距離戦で活躍したナミュール(牝4歳/栗東・高野友和厩舎)は今回、世界的名手のライアン・ムーア騎手を鞍上に迎える。先述したトップホースを含め、これらの実績馬が人気を集めるのは当然の流れだろう。 本稿では実力に比して評価が不当に低い、いわゆる人気の盲点を狙う。18日午後4時までの前売りでは単勝オッズ34倍の8番人気となっているダノンザキッド(牡5歳/栗東・安田隆行厩舎)に注目してみたい。 ダノンザキッドは2020年6月にデビュー勝ちを収めると、次走の東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)に優勝。そして次走のホープフルステークス(GⅠ)を制して、同年度のJRA賞最優秀2歳牡馬に選出された。 翌年は弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)を3着として臨んだ皐月賞(GⅠ)では1番人気に支持されるも15着に大敗。期待を大きく裏切る結果になった。しかし、これは右肢の剥離骨折によるものだったと判明し、治療のため休養に入る。 戦列復帰したのは同年10月末のこと。マイル戦の富士ステークス(GⅡ)を4着としたあと、古馬が集うマイルチャンピオンシップに向かい、名牝グランアレグリアに0秒2差の3着に入り、GⅠホースの底力を見せた。 また昨年のマイルチャンピオンシップ、海外GⅠの香港カップで連続2着を記録し、今春の大阪杯(GⅠ)でも勝ったジャックドールとハナ+クビ差の同タイムで3着となるなど、能力に陰りは見られない。