まだ50代だったのに…突然の父との別れに、家族は号泣。世帯主の死で対処が必要になる〈世帯主変更〉の手続きとは?【相続専門税理士が解説】
世帯主変更届は「社会保険」「税金」にどう関係する?
世帯主変更届のほかに、世帯の変更に際して必要な公的な手続きとして、社会保険の資格喪失手続きがあります。 亡くなった世帯主が会社員として働いていた場合は、勤務していた会社に世帯主が亡くなった旨を伝え、会社が「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を年金事務所に提出することで、資格喪失の手続きが終了します。 一方、自営業の方や、無職で国民健康保険に加入していた方の場合は、「国民健康保険資格喪失届」を死亡した日から14日以内に市区町村役場に提出することになります。 また、死亡した世帯主が75歳以上の場合は、後期高齢者医療保険制度に加入しているはずなので、「後期高齢者医療資格喪失届」を死亡した日から14日以内に市区町村役場に提出することになります。 しかし、国民健康保険や後期高齢者医療保険制度の場合は、自治体によっては死亡届が資格喪失届を兼ねることもあるため、一度確認することをおすすめします。 新しい世帯主または親族が喪失届(または死亡届)を提出すると同時に、保険証などを返却する必要があります。 資格届出書は、市区町村役場の窓口に置いてあるため、そこで必要事項を記入すればよいでしょう。 もし、忘れていた等の理由で、社会保険関係の手続きをおこなわなかった場合、国民健康保険などに加入したままの状態となり、健康保険料を支払い続けることになってしまいます。そういった事態を避けるためにも、喪失手続きを忘れずにおこなう必要があります。
世帯主が死亡したときにおこなう手続き、5つ
ここまで、世帯主変更届と健康保険の手続きについて解説してきましたが、それ以外の手続きとして、大きくまとめると、以下の5つの手続きがあります。 (1)火葬許可証の受取 (2)携帯電話の解約 (3)水道光熱費などの公共料金の名義変更 (4)相続財産の名義変更 (5)年金受給停止の届出 これらのすべての手続きが必要になるため、覚えておきましょう。 意外と忘れがちなのが携帯電話の解約です。もし忘れてしまうと、何ヵ月も携帯代金が引き落とされてしまいます。ご家族は携帯会社の窓口へ行き、解約手続きをおこないましょう。 市区町村役所で手続きをすることになるのが、「死亡届の提出」「火葬許可証の受取」です。「年金の受給停止」は年金事務所でおこない、相続財産の名義変更はそれぞれ契約している会社でおこなうことになります。 世帯主が突然亡くなった場合、動転して気が回らないこともあるでしょう。しかし、世帯主変更届や相続財産の名義変更は必ずおこなわなければなりません。1つずつ、確実に手続きを行っていきましょう。 岸田 康雄 公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
【関連記事】
- 「親が亡くなったら、真っ先にコンビニへ走る」が新常識!相続手続きで困らないためにやるべき、たった一つのこと【税理士が解説】
- 30代長男の死…嫁は「私たちを頼らないでください」と言い残し、孫を連れて海外移住。食堂で働き詰めの高齢母が、涙をこらえて遺した〈まさかの遺言書〉
- 〈子のいない夫婦〉退職金3,000万円で実現する「穏やかな老後」が一転、66歳夫が急逝…65歳妻が行政書士から告げられた「衝撃事実」
- 「もうムリ、ごめんね」50代独身ひとりっ子、年金15万円・80代の同居母を残し、生まれて初めて実家を離れた切実理由
- 40代独身・一人っ子男性「親は貯蓄なし」「老人ホームに入ってもらいたいが…」頭を抱えるワケ