PISAとは?これまでの日本の順位や調査のポイントを解説
世界の15歳はどんな学力を身に付けている?日本の15歳は世界と比べてどんな強み・弱みがあって、ランキングでいうと世界で何位?――そんなことがわかる国際調査「PISA」の結果が12月5日*に発表されました。世界中がその結果を注目する「PISA」とはどのような調査なのでしょうか。
世界中が注目!4年ぶりに実施された国際調査「PISA(ピザ)」とは?
「PISA」とは、国際機関であるOECD(経済協力開発機構)が行う世界的な学力調査です。Programme for International Student Assessmentの略称で、日本語の正式名は「OECD生徒の学習到達度調査」です。大抵の人は「ピザ」と言います。2000年から3年ごとに行われ、2022年に行われた最新の調査は8回目。日本は初回から毎回参加しています。参加国・地域は回を追うごとに増加しており、2018年の調査では79か国が参加しました。調査の目的は、義務教育を終える15歳までに学んだ知識や技能を、実生活でどの程度活用できるかを測ること。調査の結果を国別に比較することで、各国が自分の国の強みや弱みを知り、よりよい教育をつくっていこうとしています。実際に、日本の教育カリキュラムの基準となる学習指導要領などにもPISAの結果から得られた知見が反映されています。
調査方法は?~3つの分野+アンケートをコンピュータで回答~
PISAは、問題に対して答えを求めるテスト形式の調査と、アンケート形式で質問に答える質問紙調査の2つから成り立っています。テスト形式の調査は、「科学的リテラシー」「読解リテラシー」「数学的リテラシー」という3分野があります*1。毎回、3分野とも調査しますが、3つのうち1つの分野を重点的に調査。2022年の回は数学的リテラシーが中心でした。質問紙調査は、テストを受けた生徒とその学校(長)を対象に行われ、勉強に関する意識や態度、家庭や学校での学習環境 などに関するアンケートに答えます。 2015年からは、それまでの紙とペンを使う方式から、コンピュータ上で出題と回答を行う「CBT」というやり方に変更しました。さらに、2018年調査の読解リテラシー,および今回の数学的リテラシーのテストでは 、受検者の解答結果に応じて出題内容を変える「多段階適応型テスト(MSAT)」の手法を導入。これにより測定結果の精度がアップしました。 日本では高校1年生が調査の対象です。ただし、実際は全国からランダムに選ばれた学校の生徒約6,000人が受検します。所要時間は合計4時間弱。調査の目的が国単位での教育の質改善ですから、個人の結果が単独で扱われることはありません。