DeNA・筒香嘉智の打撃に他球団が衝撃 「直球をきっちりはじき返している」
アメリカと日本の野球は別物
アメリカと日本の野球はまったく別物と言われる。メジャーから復帰した日本人野手が対応するのに苦戦したケースが少なくない。日米でプレーした青木宣親(ヤクルト)がメジャーからヤクルトに復帰2年目の20年に週刊ベースボールで実現した秋山翔吾(広島)との対談で、日米の打席でのアプローチの違いについて以下のように語っていた。 「まず、日本の投手に対応するために間(ま)を取ろうとした。日本の投手はメジャーと違って足を上げて1度、止まる感じ。だから、全体的に動きが大きくなったね。それと、強く振らずに合わせている感じもあった。傍から見たらバットをしっかり振っているように見えるかもしれないけど、意識の中ではゆっくりと。そうじゃないとバットのヘッドが返ってしまう。メジャーの投手はボールが強いとアキも言っていたでしょ。だから、ガンッとインパクトの瞬間に力を入れないと飛ばない感じがするでしょ?」 「だから、しっかり打ちたくなるけど、日本の投手には合わない。強く振らない意識も重要。自分の中では100%で振りたいけど、70~80%で振っていた感覚だった」
「打つと球場の雰囲気が変わる」
筒香はDeNA復帰後にファームで調整。イースタンリーグで6試合出場し、打率.176、0本塁打で修正に少し時間がかかると思われたが、日本球界を代表する強打者の看板に偽りはなかった。一軍昇格した5月6日のヤクルト戦(横浜)で、7回に左中間のフェンスの上部を直撃する二塁打を放つと2点差を追いかける8回二死一、二塁の好機で右中間に逆転の1号3ラン。復帰戦にド派手な活躍でチームの白星に大きく貢献すると、10日の阪神戦(横浜)では6回無死三塁で青柳晃洋から中越え適時三塁打を放つなどマルチ安打。六番で3試合連続スタメン出場し、11日の同戦は三番に。決勝弾で見事に期待に応えた。 他球団のスコアラーは「もう少し苦労するかなと思いましたけど、バットが振れていますね。タイミングを取れているし、直球をきっちりはじき返している。日本でプレーしていた5年前からまったくさびついていない。筒香が入ったことでDeNA打線の破壊力が一気に増している。打つと球場の雰囲気が変わりますしね。対策が必要になるでしょう」と警戒を強める。 結果が出ていることで、精神的に楽になっている部分はあるだろう。筒香の新たな挑戦が始まった。 写真=BBM
週刊ベースボール