米マクドナルド、世界既存店売上高が予想以上に減少 客足低迷
[29日 ロイター] - 米ファストフードチェーン大手マクドナルドが29日発表した第3・四半期決算は、世界既存店売上高が予想以上に減少した。数年にわたる値上げで離れた顧客を呼び戻すためにプロモーションを強化したにもかかわらず、主要市場全体で客足が減った。 LSEGがまとめたデータによると、第3・四半期の世界売上高は1.5%減と、アナリスト予想平均(0.72%減)以上に落ち込み、減少幅は4年ぶりの大きさとなった。 欧米や中国で価格に敏感な消費者が自炊する機会が増えたことなどが影響している。 需要低迷を受け、ファーストフードチェーンは特に低所得者層の客足を回復させるために、割安なセットメニューや期間限定メニューの提供に力を入れている。 マクドナルドのクリス・ケンプチンスキー最高経営責任者(CEO)は、顧客が出費を控え続ける中、同社は手頃なメニューの提供に重点を置いていると述べた。 先週には、同社のハンバーガー「クォーターパウンダー」に関連する大腸菌集団感染が発生。75人感染し、少なくとも1人が死亡した。全米1万4000店舗のうち約20%でクォーターパウンダーの提供を一時停止した。コロラド州当局はその後、ビーフパティが原因である可能性を否定した。 第3・四半期の米国の既存店売上高は0.3%増。大半の店舗で12月まで延長された5ドルセットメニューが好調で、減収だった第2・四半期から回復した。 海外市場の売上高は英仏の低迷が響き、2.1%減少した。 中国の消費低迷と中東紛争の影響で、現地パートナーが店舗を運営する事業部門は打撃を受け、売上高は3.5%減少。前年同期は10.5%増だった。 調整後の1株利益は3.23ドル。前年同期の3.19ドルから増加した。