「ヨドバシ」とタッグを組んで「そごう・西武」を買収 “ハゲタカファンド”本当の狙い
西武池袋本店
ハゲタカファンドにとって、所詮、マネーゲームに過ぎなかったか。 「そごう・西武」の労働組合が雇用維持と事業継続を求めた61年ぶりという百貨店ストを決行したものの、結局、無駄骨に終わった。一夜明けた9月1日、「セブン&アイ・ホールディングス」が米投資ファンド「フォートレス・インベスト・グループ」への子会社であるそごう・西武の売却に踏み切ったからである。 M&Aアナリストの解説によれば、 「フォートレスは8500万円でそごう・西武の株式を譲渡されたわけですが、買収資金として、三井住友、みずほ、三菱UFJのメガバンク3行から総額2300億円のつなぎ融資を受けていました。セブン&アイは、それを元手にそごう・西武の負債などを一掃した。一方で、フォートレスは家電量販大手“ヨドバシホールディングス”に、西武池袋本店やそごう千葉店、西武渋谷店の土地や建物の一部、加えて、そごう・西武の子会社の株式を3000億円で売却しました」 その売却代金を、つなぎ融資の返済に充てる段取りだった。さすがはフォートレス、一瞬にして、差し引き700億円もの荒稼ぎを企てたのだ。 (カネに振り回される人々のドラマを描く「週刊新潮」の連載コラム「MONEY」より)
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「週刊新潮」2023年9月21日号「MONEY」欄掲載