北海道犬「福ちゃん」は志賀高原の人気者 観光客には人懐っこく「もこもこ」、野生動物には勇敢な「猟犬魂」
長野県山ノ内町の志賀高原で宿を営む山本勇一さん(72)が、北海道犬の「福ちゃん」を4年前から飼っている。一帯に生息する猿や熊など野生動物には勇敢な態度を示す一方、観光客には人懐っこさを見せ、人気者になっている。 【写真】観光客からの写真撮影に応じる福ちゃん
アイヌの猟犬としての歴史がある北海道犬。雄犬の福ちゃんは2019年11月に北海道旭川市で生まれた。山本さんは当時、宿の玄関先で育てているヤマブドウの棚を再三、猿の群れに襲われて悩んでいた。そのころ妻の基子さんが体調を崩して入院生活が長引いていたこともあり、20年1月に家族として迎えた。
体重26キロ、体長75センチに成長した福ちゃんはすぐに活躍した。玄関付近で飼われ、猿には大きくほえて近寄るのを防いだ。散歩中も野生動物の気配を察知すると鳴き声を響かせる。山本さんは「ヤマブドウがいっぱい収穫できるようになった」と頼りにする。
CMで「お父さん犬」として活躍した北海道犬にそっくりな白い毛並みが特長で、観光客に「もこもこでかわいい」と写真撮影をせがまれることも。山本さんの軽トラックに乗って散歩に出かける様子は地域で話題になった。
今年1月に基子さんを亡くした喪失感もある山本さんにとって、福ちゃんは「心強い相棒」になっている。