写真：AV Watch

ニコンイメージングジャパンは、Zマウントを採用したフルサイズミラーレスカメラ「Z6III」を7月12日に発売する。世界初の部分積層型CMOSセンサーを搭載しているのが特徴。価格はオープンプライス。店頭予想価格は43万5,600円前後。 【この記事に関する別の画像を見る】 世界初の部分積層型CMOSセンサーと「Z9」や「Z8」と同じ画像処理エンジン「EXPEED 7」の採用により「動く被写体の捕捉性能の向上や、多様な映像制作のニーズに応える動画撮影機能を実現」したという。 部分積層型CMOSセンサーは、イメージセンサーの上下の積層部に高速処理回路を多数配置したもの。高速読み出しが可能で、EXPEED 7との組み合わせにより、シャッターボタンの全押しから最大1秒間遡って記録ができる「プリキャプチャー」(JPEGでのみ撮影可能)では、最高120コマ/秒(C120)で撮影できるほか、60コマ/秒(C60)ではフルサイズで「Z9」「Z8」よりも高画素の約2,400万画素での撮影が可能。 さらに、20コマ/秒の高速連続撮影時にはEVFの表示とびを抑え、被写体の動きを滑らかに確認できる。これにより、走る野生動物や飛んでいる野鳥などの決定的瞬間を捉えやすくなったという。 高速読み出しが可能となった事で、4K動画制作用の素材としても柔軟に活用できる12bit 6K N-RAW/ProRes RAW HQの内部記録と、10bit 5.4K ProRes 422/H.265動画の撮影を実現。 4K動画や需要の高まるスマートフォン向けフルHD縦型動画制作の際にも、トリミングやズーミング、トラッキング、ブレ補正などが可能になり、編集の自由度が上昇。 また4K UHDは6Kからのオーバーサンプリングにより、高精細な動画を作成可能。小型ボディーながら効率のよい放熱設計と動画撮影時の省電力化により、4K UHD/60pで最長125分の動画撮影も可能。10bit フルHD/240p H.265での撮影も可能となり、最大10倍の印象的なスロー動画制作も行なえる。 EVFは「Z9」「Z8」を超えるミラーレスカメラ史上最高の明るさという4,000cd/m2に対応し、屋外の極めて明るいシーンでも黒つぶれしにくく見やすいファインダー像を実現。ニコン史上最高の576万画素の高い解像度を実現したほか、ミラーレスカメラ史上初というデジタルシネマ向け規格「DCI-P3」相当の色域をカバー。画面の周辺まで高解像に被写体を確認できる上、赤い花などで起きやすい色飽和を抑えたり、HLGで撮影時のイルミネーションなどの輝度の高い被写体も、より明るく確認できる。 AF演算サイクルの高速化も実現。「飛行機」モードを含む9種類の被写体検出にも対応。また、低輝度側のAF検出範囲は「Z9」「Z8」を上回る-10EVまで拡張され、より暗いシーンでもピントが合いやすく、撮影シーンの幅を拡大。堅牢性、信頼性は「Z8」と同等の性能を備えている。 ニコンのPC用閲覧/現像/編集ソフトウェア「NX Studio」を使った、より自分らしい自由な画作りの表現ができるピクチャーコントロール「フレキシブルカラー」に新たに対応。色別に色相、彩度、明度をコントロールできるカラーブレンダーや輝度ごとに色相、彩度、明度を組み合わせて調整できるカラーグレーディングなどの機能を備える。 「NX Studio」で作成した設定はカスタムピクチャーコントロールとして書き出し、「Z6III」に登録することで撮影時にいつでも使用可能。撮影中のライブビューにも反映されるため、仕上がりをイメージしながら撮影できる。 新サービス「Nikon Imaging Cloud」では、ニコンによるおすすめや、著名クリエイターが監修したカスタムピクチャーコントロールを「イメージングレシピ」として提供。レシピは最大9個まで「Z6III」にWi-Fiで送信できる。「Nikon Imaging Cloud」との連携により、パソコンやスマートフォンを使わずにZ6IIIのファームウェアのバージョンアップも可能。Z6IIIがWi-Fiに接続された際に撮影画像を自動で転送も可能。 他にも、Zシリーズで最高という8.0段の手ブレ補正効果を発揮。フォーカスを合わせた部分を中心に手ブレを補正し、画面周辺の被写体でもシャープに捉える「フォーカスポイントVR」なども備えている。 外形寸法は約138.5×74×101.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約760g。