生活保護を受けている間、他人に「お金を渡す」行為はNG?生活保護の「正しい使い道」とは?
生活保護は、経済的に困難な状況にある方が自立した生活を送れるように支援するための制度です。もし生活保護費を他者へと渡すと、直接生活には関係がないため生活保護の目的とは異なります。 状況によっては厳重注意や減額の対象となる可能性があるため、止めたほうがいいでしょう。今回は、生活保護の目的や生活保護費を他者へ渡す行為で受けるデメリットなどについてご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護は自立を助けるための制度
生活保護は、あくまで生活保護を受けている本人が自立できるように支援するための制度です。生活保護法では、生活保護を利用している方が守られる権利、そして守るべき義務が明記されています。生活保護受給者が守るべき義務の例は以下の通りです。 ・生活保護法第59条:保護又は就労自立給付金若しくは進学準備給付金の支給を受ける権利は譲り渡すことができない。 ・生活保護法第60条:被保護者は、常に、能力に応じて勤務に励み、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない。 ・生活保護法第61条:被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動があつたときは、すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を届け出なければならない。 他人へお金を渡す行為は、自分の日常生活とは直接関係がありません。つまり、支出の節約に努めているとはあまりいえない状態でしょう。 また、他人へお金を渡していることを報告していなければ、収支を届け出る義務にも反しているとみなされる可能性もあります。さらに、生活保護費を渡すことで、生活保護の権利を他者へ譲り渡しているとされるリスクもゼロではありません。 そのため、もし知人で生活保護を受給しているにもかかわらず、お金を他者へ渡している方がいる場合は、できるだけ止めるよう伝えたほうがいいでしょう。