「母は奴隷なのか」1週間泊まり込み勤務後“急死”、家事使用人の「労災不支給」めぐる裁判が結審 遺族ら思いを語る
Aさん息子「母は奴隷なのか」
会見には、自身も介護に従事するAさんの息子が登壇。判決を前にした気持ちを、次のように語った。 「労災の不支給が決まった時、『家事使用人は労働者ではないから』(労災申請を)却下すると書かれていました。まったく実態を見ていないずさんな判断で、母は“労働者”でなければ何なのか、奴隷なのかと怒りを覚えました。地裁判決は残念な結果でしたが、9月に(高裁で)良い判決が出ることを心から願っています」 家事使用人を労働者として認めていない労働基準法116条2項をめぐっては、差別的だとして国会にも取り上げられ、厚労省は家事使用人の実態調査や雇用ガイドラインを作成するなど法で守られていない家事使用人の保護を進めていたが、裁判のあった27日、ついに厚労省が法改正に向けた調整に入ったと報じられた。法改正を後押しするか、司法の判断に注目が集まっている。
弁護士JP編集部