柏木陽介が「阿吽の呼吸」で好きなFWベスト5「パサーとしての原点を叩き込んでくれた恩人」
【だから浦和ファンから愛され続けた】 ── 田中達也さんならではのFWのすごみとは? 「達也さんもどちらかと言うと、岡ちゃんに近いタイプかな。グググッと出ていく感じが。一瞬のスピードもあるんですけど、狙って、狙って、ここぞというところで出てくる感じですね。今はこういう状況だから、こう来るだろうなっていう想定の下で動き出していると思うんですよ。そこは岡ちゃんとは少し違うかなと。予測力が高いんでしょうね」 ── ふだんから仲がよかったんですよね。 「そうですね。あの人はとにかく向上心が強いので、勉強熱心でしたね。もともとはドリブラーでしたけど、動き出しのところはかなり勉強したと言っていました。熱い男ですけど、実はすごく繊細な方。そういう人だからこそ、浦和ファンから愛され続けたんだと思います」 ── この5人に共通点があるとしたら、どういったところでしょうか。 「やっぱり、5人ともパスを出したいって思わせてくれる選手だったということ。信頼関係とか、お互いのリスペクトが強ければ強いほどそうなるなっていうのは、今話しながらあらためて感じたことです。いいパスを出せば、それに応えてくれる。出し手を気持ちよくさせてくれる選手っていうのは、やっぱり一緒にプレーしていて楽しいですよ」 (MF編につづく) ◆柏木陽介「脱帽したMF」ベスト5>>「この5人で中盤を組んだら、僕が興奮する(笑)」(6月7日配信) 【profile】柏木陽介(かしわぎ・ようすけ)1987年12月15日生まれ、兵庫県神戸市出身。2006年、サンフレッチェ広島ユースからトップチームに昇格。プロ1年目からレギュラーとしてプレーし、翌年のU-20W杯では10番を背負って「調子乗り世代」の主軸として活躍する。2009年に浦和レッズに移籍し、2010年には日本代表デビューも果たす。2021年よりFC岐阜でプレーしたのち、2023年に現役引退。国際Aマッチ出場11試合0得点。ポジション=MF。身長176cm、体重73kg。
原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei