諫早干拓「開門」なぜもめてるの?
「開門すれば農業に被害」
これに対して、干拓農地を抱える長崎県は、堤防内にできた調整池の水が農業に使えなくなり、高潮や塩害の懸念もあるとして、開門に強硬に反対しています。 開門反対派の営農者らの抵抗で、国はまだ開門のために必要な工事に着手しておらず、福岡高裁判決で決められた12月20日の期限までに開門できるめどは立っていません。期限を過ぎても開門調査を開始できないと、確定判決の原告らが開門義務を履行させるため金銭の支払いを申し立てる可能性もあります。
このように、諫早湾干拓事業をめぐる問題はねじれにねじれ、長崎地裁の決定だけでは収拾がつかない状態に陥っています。 五十嵐敬喜法政大教授(公共事業論)は、政府が農・漁業者双方の生活が成り立つような対策を立案できていないとして、西日本新聞電子版(11/13)の中で、次のように述べています。「首相や農相は佐賀、長崎両県や農漁業者が一堂に会して話し合う場を設けた上で、新エネルギー基地の設置や現代的な農漁業の展開といった抜本的なアイデアを出し、事態を打開すべきだ」