石丸伸二“新党”が本格始動 懸念は「種まき…」と斎藤元彦氏の選挙で露見した「ステマ的SNS戦略」
今夏の東京都知事選で旋風を巻き起こした前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が、いよいよ動き出す。 【写真】立花孝志氏 青山のクラブで美女に囲まれウハウハの夜 石丸氏は11月12日配信のユーチューブ動画で 「都議になろうという方は、準備を始めておいてください。ぜひ一緒に東京を動かしていきましょう」 と宣言。来夏の東京都議選(定数127)に向け、新たに地域政党を作ることを表明した。 ◆ブレーンには『選挙の神様』も 「準備は進んでいて、ブレーンには都知事選同様『選挙の神様』こと藤川晋之助氏が就くことが決まりました。主要なスタッフもそのままのようです。12月に記者会見を行い、候補者の“募集要項”が発表される見込み。石丸さん自らが面談することも考えているようです」(全国紙都政担当記者) 石丸氏は11月24日、京都府内で開かれた地域政党を考えるイベントに出席し、都議選に向け 「二元代表制のあるべき姿、東京都でいえば『知事与党』を私は是認するつもりは全くない。あくまでも健全な二元代表制としての地方政治の実現を目指している」 と所信表明。都議選で相当数の当選者を出すことで、小池都知事と並ぶ“発言力”を得たい考えだ。 この“石丸新党”に合流がウワサされているのが、先の衆院選で落選した元日本維新の会・音喜多駿だ。維新は野党に追い風が吹いた衆院選で議席を伸ばせず、大惨敗。馬場伸幸氏は代表を退任した。 「関西ではそれなりに強いが、東に行けば行くほど弱いのが維新。古参の維新メンバーと音喜多さんをはじめとする“東京維新”の折り合いも悪かった」(全国紙政治担当記者) 音喜多氏は落選後、テレビ番組の密着取材に応じ、一変した暮らしぶりを紹介。今後について、党と話し合い、来年の参院選か、衆院選に再チャレンジするか「迷っている」と吐露。 「石丸新党には行くことはありません」 と断言していたが、維新の内部関係者によれば 「本人が『石丸新党に行きたい』と言えば、それは止めない。すでに東京維新の何人かは石丸新党入りを模索していると聞いている」 という。 石丸氏は都知事選で小池百合子都知事に次ぐ165万8363票を獲得。元立憲民主党の蓮舫氏を上回り、“石丸現象”と評された。勢いそのままなら、来夏の都知事選でも猛威をふるうことになりそうだが、一つ気掛かりなのが、現在進行形の斎藤元彦兵庫県知事をめぐる大騒動だ。 ◆手法としては真逆 斎藤陣営の「広報戦略を一手に引き受けた」とするPR会社の女性社長が、noteで“SNS戦略”のカラクリをつまびらかにした。中には「種まき」「育成」「収穫」と書かれた有権者獲得のためのフローチャートもあった。 これらの信憑性や彼女の行為が公選法に抵触するかはさておき、“たったひとりで始めた”斎藤氏の選挙戦が実は“計算されたもの”で、自然発生したかに見えたムーブが実はステマ的だった可能性が浮上し、興ざめする人が続出している。 石丸氏の参謀を務めた藤川氏は11月25日放送のBS日テレ『深層NEWS』で石丸氏と斎藤氏のSNS戦略は「違う」と断言。 前者はもともとあった石丸氏のユーチューブ動画がSNSで拡散されたことが着火点と主張した。その上で 「石丸さんの場合は直感力。政策中心ではない。自分自身の経験値を前に出していくタイプ。斎藤氏は役人でもあったので、細かく政策議論をぶつけていく。手法としては真逆」 と述べた。政界関係者の話。 「それでも石丸氏には影響はあるでしょう。フワっとした空気感はもう通用しない。斎藤氏の一件でSNS上の切り抜き動画を見る際に『これは本当かな』と警戒する人が増えた。“耳当たりのいい言葉”だけでなく、きちんと政策の中身まで吟味する人が出てくるのは非常に良いことだと思う」 オールドメディアと呼ばれる媒体も、これまで以上にファクトチェックを徹底していくという。石丸フィーバーは再び起きるか――。
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