2024年心豊かに過ごすには?細木かおりさん「時代が変化を続ける中でも大切なこと」
2024年の年のはじめにあたり、私たちは“今年こそ”あるいは“今年も”、明るく健やかに、笑顔にあふれた毎日を過ごしたいと願います。しかしながら、常に物事は変化をします。地球や社会という大きな世界にも、家庭や個人の心のうちにも、さまざまな変化や問題が起こり、悩みや苦しみ、不安が生まれることがあります。 「誰もが幸せに」という母・細木数子さんの思いを受け継ぐなかで、占いを超え、幸せに生きるためのヒントや心構えを、現代の人々にメッセージとして送り続けている細木かおりさん。「人は大自然や祖先、周りの人々によって生かされている」という信念と感謝は常にブレることがなく、生きてゆく上で忘れてはいけないことをやさしく伝え、新しい気づきをもたらしてくれます。2023年を振り返りながら、かおりさんが大切にしていることを語っていただきました。
コロナ後の時代へ。変化が続く2023年
2023年は新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類に変更され、旅行やイベントの再開など人々の行動が活発化し、人と人との関わり方にも少しずつ変化が見られるようになりました。閉ざされていた扉が開き、光が射し始めた一方で、世界を見るとロシア・ウクライナ戦争が長期化し、その影響による社会の混乱や物価上昇、不安は今なお続いています。また、国内外で地震や大雨、火事など大規模な災害が起こり、地球規模での危機に直面する年にもなりました。 そのような2023年から2024年へ。かおりさんは、「私たちは不安や苦しさのなかで気づいたことを、新しい年に生かしていかなければいけません」と語ります。 「コロナ禍の始まりには、私たちはこれからどうなるのだろうと不安になり、長いコロナ禍の間には、さまざまなことが制限されて、たとえば学生は通学することもできず、出会いも努力の成果を発揮する場も失われてしまいました。経済的に苦しむ人や、心のバランスを崩す人も増えました。ただ、そのようななかでも、人との関わりの大切さが改めて見直され、近隣の人と助け合う心が自然に生まれ広がっていったこともみなさん感じていることでしょう。またリモートワークや郊外への転居など、新しい働き方や学び方、暮らし方が生まれ、自分に向くもの・向かないもの、必要なもの・不要なものの見極めもできるようになったのではないでしょうか。 そのように、新たに得たものにプラスして、時代がどんなに変化しても変わらないもの、伝統や風習、人としての生き方など、古きよきものに目を向けていくことが、2024年の私たちにとって必要なことだと思っています。 今の時代は“自分は自分で生きている”と考えている人が多いように思いますが、私たちは“生かされている”“時を生きている”のであって、与えられたものを全うしなければいけないのです。新しい年はまだまだ変化や進化が続きますが、変化や進化だけにフォーカスして、その波に乗ればよいという考えでは、失われるものが多くなります。 たとえばデジタルやSNSの進化により、世の中が複雑化して、それがいじめや犯罪につながったり、人を傷つける原因になったりもします。何事も陰陽のバランスが大事であり、進化すること、前進するのはよいことですが、失われるものも見つめなければいけないというのが、引き続き2024年の課題だと思います」と、かおりさんは話します。 <写真>着物は数年前に東京友禅「大羊居」でかおりさん自身が誂えたもの。訪問着には雲を背景にして桜や四季の花々が咲き誇る穏やかな情景が描かれている。