「全部真っすぐのタイミングで振っている」阪神3連勝を飾るも佐藤輝明は“起爆剤”として不発 球団OBは見極めの甘さを指摘「相手はストライクを投げない」
混戦が続く今季のセ・リーグで、交流戦に入っても調子が上向かなかった阪神は、6月7日からの西武とのカードで見事に3連勝を飾った。いずれも、伊藤将司、ビーズリー、才木浩人と先発投手が好投し、それぞれに白星がつく結果となった。 【動画】阪神、Vの使者! 18年ぶり優勝を決定づけた佐藤輝明の歴史的特大ホームランをチェック この3連戦、点差こそ大差となるゲームはなかったものの、打線も2試合で二桁安打を記録しており、今月に入り行われた、岡田彰布監督による大幅な打線へのテコ入れがようやく実を結んだ格好だ。 だがその中で、このカードより1軍復帰を果たしている佐藤輝明は、3試合でスタメンに名を連ねたものの、安打は初戦でのシングルヒット2本にとどまっている。不振が続く打撃陣への“起爆剤”として大きな期待が寄せられたものの、久々の一軍公式戦での3試合、数字の上では物足りない内容となった。 もちろん、今後も中軸としての働きが求められる佐藤だが、この3戦のパフォーマンスには球団OBからも厳しい言葉が向けられている。 阪急、オリックスで通算165勝の実績を残し、引退後は阪神の投手コーチも務めた佐藤義則氏が、YouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を6月10日に更新し、西武戦での佐藤輝のバッティングについて語った。 6月9日の3戦目、3打席で凡退した佐藤輝が、いずれも低めのボール球に手を出していたと指摘する佐藤氏は「自分でどのボールを打つかを決めきれていない。全部真っすぐ一本のタイミングで振っている」と分析。 また、この3試合の内容については、「あんまり考えてバッターボックスに入っていない気がする。『見えたら振る』という感じで」などと印象を述べており、「本当に自分の打てるポイントに(ボールが)来ないと、ヒットが出ない」と見込んでいる。 この3試合、特に低めのきわどいコースに反応し、三振や凡打に終わるケースが多かったと振り返る佐藤氏は、「ローボールヒッターだからしょうがないんだけど、コースを見極めないと、相手はストライクを投げてこない」と説明。その上で「何とか我慢してボール球を見逃すことで、ランナーがいる場合などでは投手はストライクを投げざるを得なくなる。それをしっかり打てるようになると、打率も上がっていく」と見通している。 他にも佐藤氏は、「真ん中でも130㎞台に空振りをしていた。140㎞台の投手にはまだ厳しいのでは」と1軍復帰直後の3連戦を終えた、背番号8の打撃を評している。 対西武3連戦ではチームとしての結果は残せたものの、期待された佐藤輝の長打はみられなかった。果たしてこの先、打線を勢い付かせる核としてのバッティングを取り戻すことができるだろうか。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]