壮絶な大学入試「高考」、中国の生成AIが受験してみた…苦手・得意科目に意外な結果
多くのAIが作り出した文章には以下のテーマで膨らませた内容が目立った。
•好奇心を持ち、問いを持つこと疑問を持つことは、知恵やイノベーションの源泉である •情報は手軽になり情報過多になる、その中でどう選別し区別するか •テクノロジーや時代の変化にともない新たな問題も出てくる。インターネットやAIでもセキュリティやプライバシーや道徳などの問題に直面してしまう ちなみに筆者がBingのCopilotとChatGPTでこの問題文を入れたところ、1番目の「好奇心を持ち~」がなく、2番目と3番目についての内容を膨らませて書いている。いずれも文章としては問題なく論理展開もおかしくはないが、感想や個性はなく淡々としていてそこが減点対象ではあるが、いずれも合格点だった。 他の教科はさておき、これだけ作文がよくできると現役の国語教師にとっては脅威となろう。実際各メディアがAIで作文をした結果に、作文の教育はどうすればいいのかという議論が出ている。多くの記事での論点はこうだ。AIは作文の採点で単語、文章や論理的表現で間違いがないかを修正することができるので、教師の負担を軽減するツールとしては役に立つ。しかし先に書いた通り、AIによって生成された記事は論理的であるように見えるが、そのほとんどは従来の文章の組み合わせであり、実際には個々の感情や体験や表現といった「個性」が抜けている。他者とコミュニケーションをとる際に本当の感情を表現し、自分の考えや個性を際立たせることが大事だと学習指導要領にもあり、その点でAIはまだまだ力不足であり、AIが教師に代わることはない、というものだ。 来年の高考でも生成AIがベンチマークされることだろう。合格点には達するが機械的で味気なく数学に弱い、これがどれだけ変わっていくか。 (文:山谷剛史)