8月15日には標準的な夫婦へ支給される年金が「約46万円(2ヶ月分)」。働き方ごとでもさまざまなパターンをシミュレーション
公的年金の財政の検証結果
7月に実施された財政検証では、以下の項目についてシミュレーションしています。 ・社会保険の加入要件を変更した場合の年金財政の状況 ・国民年金の納付期間を延長した場合の年金財政の状況 それぞれの項目について解説しましょう。 ●社会保険の加入要件 財政検証で検討された項目の1つが「社会保険の加入要件」です。 現行制度では、社会保険の加入要件を以下のとおり定めています。 ・従業員数が101人以上 ・週の所定労働時間が20時間以上 ・賃金が月額8万8000円以上 ・2ヵ月を超える雇用の見込み有 ・学生ではない 2024年10月以降は、企業規模の適用要件となる従業員数を51人以上に拡大します。 財政検証では、さらに企業規模の要件を撤廃した場合の財政状況をシミュレーションしました。 検証の結果、企業規模の適用要件を撤廃する方針となりました。 ●国民年金の納付期間延長 次に、国民年金の納付期間延長を検討していました。 現行制度では、国民年金は20歳から59歳までの納付期間となっています。 財政検証では、65歳まで納付期間を延長した場合もシミュレーションされました。 しかし、延長案の採用は見送りとなっています。 見送りの理由は、社会保険の加入者が増えたことによって、当初の想定よりも財政状況に余裕が生まれたためです。 次の財政検証で、納付期間の延長案が採用されるか、引き続き注目が集まります。
まとめにかえて
年金受給額と7月に行われた財政検証の検討項目について解説しました。 年金は2ヵ月ごとに支給されるので、毎月の家計管理が重要となります。 手取りから生活費に回す分を管理しながら、先々の生活に困らないようライフプランをたてましょう。
参考資料
・日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」 ・日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」 ・厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
川辺 拓也