8月15日には標準的な夫婦へ支給される年金が「約46万円(2ヶ月分)」。働き方ごとでもさまざまなパターンをシミュレーション
8月15日は、公的年金の支給日です。 7月3日には、公的年金の財政状況を検討する「財政検証」が実施されました。 ◆【年金一覧表】2024年度の年金例はいくら?収入別にシミュレーション 年金にまつわる関心は、今後もますます高まり続けるでしょう。 今回は、8月に支給される年金額を、さまざまなケースでシミュレーションします。 記事の後半では、財政検証で検討された項目についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
標準世帯では年金の受取額が約46万円
公的年金は、2ヵ月分ごとに支給されます。 標準的なモデルケースである厚生年金を受け取る夫と専業主婦の妻の場合、年金額は約23万円です。 ●2024(令和6)年度の年金額例 ・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万8000円 ・厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):23万483円 2ヵ月分の支給となるので、夫婦の合計で約46万円が支給されます。 自営業の夫婦であれば、国民年金で月額13万6000円となるので、8月の年金支給額は27万2000円となります。 ただし、支給される年金額は手取りではない点に注意が必要です。 公的年金は、社会保険料や税金が天引きされます。 主に天引きされる社会保険料と税金は、以下のとおりです。 ・介護保険料 ・国民健康保険料 ・後期高齢者医療保険料 ・住民税 ねんきん定期便に記載されている金額も天引き前の金額なので、注意してください。 では、年金のモデルケースごとに支給額をシミュレーションしましょう。
年金のモデルケースごとに支給額をシミュレーション
モデルケースとなっているのは片働き世帯ですが、今回は共働き世帯と片働き世帯それぞれで年金額をシミュレーションします。 厚生労働省が2024年5月13日に実施した社会保障審議会では、男性と女性の収入に応じた年金額を計算しています。 (1)報酬54万9000円 ※男性の平均的な収入を1.25倍:年金額18万6104円(基礎年金:6万8000円、厚生年金:11万8104円) (2)報酬43万9000円 ※男性の平均的な収入:年金額16万2483円(基礎年金:6万8000円、厚生年金:9万4483円) (3)報酬32万9000円 ※男性の平均的な収入を0.75倍:年金額13万8862円(基礎年金:6万8000円、厚生年金:7万862円) (4)報酬37万4000円 ※女性の平均的な収入を1.25倍:年金額14万8617円(基礎年金:6万8000円、厚生年金:8万617円) (5)報酬30万円 ※女性の平均的な収入:年金額13万2494円(基礎年金:6万8000円、厚生年金:6万4494円) (6)報酬22万5000円 ※女性の平均的な収入を0.75倍:年金額11万6370円(基礎年金:6万8000円、厚生年金:4万8370円) (7)報酬14万2000円 ※短時間労働者(男女計)の平均的な収入:年金額9万8484円(基礎年金:6万8000円、厚生年金:3万484円) (8)国民年金のみ加入:年金額6万8000円(基礎年金:6万8000円) 共働き夫婦の場合、それぞれのパターンの組み合わせで年金額が月額でいくらになるか確認しましょう。 ●共働き世帯の年金支給額 共働き世帯の場合、夫婦の収入ごとの年金受給額は以下のとおりです。 ・男性の平均的な収入を1.25倍+女性の平均的な収入を1.25倍:33万4721円 ・男性の平均的な収入+女性の平均的な収入:29万4977円 ・男性の平均的な収入を0.75倍+女性の平均的な収入を0.75倍:25万5232円 ・男性の平均的な収入を1.25倍+短時間労働者の平均的な収入:28万4588円 ・男性の平均的な収入+短時間労働者の平均的な収入:26万967円 ・男性の平均的な収入を0.75倍+短時間労働者の平均的な収入:23万7346円 ・女性の平均的な収入を1.25倍+短時間労働者の平均的な収入:24万7101円 ・女性の平均的な収入+短時間労働者の平均的な収入:23万978円 ・女性の平均的な収入を0.75倍+短時間労働者の平均的な収入:21万4854円 ・夫婦とも短時間労働者の平均的な収入:19万6968円 次に、片働き世帯の年金受給額を確認しましょう。 ●片働き世帯の年金受給額 片働き世帯の場合、夫婦の収入ごとの年金受給額は以下のとおりです。 ・男性の平均的な収入を1.25倍+国民年金のみ加入:25万4104円 ・男性の平均的な収入+国民年金のみ加入:23万483円(モデルケース) ・男性の平均的な収入を0.75倍+国民年金のみ加入:20万6862円 ・女性の平均的な収入を1.25倍+国民年金のみ加入:21万6617円 ・女性の平均的な収入+国民年金のみ加入:20万494円 ・女性の平均的な収入を0.75倍+国民年金のみ加入:18万4370円 次章では、7月に行われた財政検証でどのような項目が検討されたのか確認しましょう。