爆風スランプ、26年ぶりのツアーで見せつけた圧倒的パワー オーディエンスを“青春の真っ只中”に
今年40周年を迎えたロックバンド・爆風スランプの26年ぶりとなるツアー『爆風スランプ~IKIGAI~デビュー40周年日中友好LIVE “あなたのIKIGAIナンデスカ?”』のファイナル公演が17日、東京・LINE CUBE SHIBUYAで行われた。 【写真多数】観客と記念撮影!満面の笑みを浮かべた爆風スランプ デビュー40周年日中友好LIVE“あなたのIKIGAI ナンデスカ?”と題されたこのツアーのオープニングを務めたのは、中国のロックバンド・布衣(ブイ)。ファンキー末吉(Dr)が彼らのデビューアルバムをプロデュースした縁から2018年に正式にメンバーとして加入し、毎年100本近くをまわるツアーを敢行している実力派として知られている。ヘヴィメタルをベースに中国の伝統的なサウンドを加味しながらメロディアスに展開していくロックは会場に集まったオーディエンスに新鮮な驚きを与えていった。 「次は、きっとみんなも知っている曲なんじゃないかな」とファンキー末吉が言って始まったのは「リゾ・ラバ」。ソリッドでスケールの大きいアレンジにメンバー個々の技量の高さも感じられる。2コーラス目には、サンプラザ中野くん(Vo)が、ソロの前にはパッパラー河合(Gt)が、ソロ中にバーベQ和佐田(Ba)がステージに登場して布衣とのコラボレーションが実現した。 パッパラー河合のエンターテナーぶりで転換中とは思わせない盛り上がりを見せた会場は、テンションを途切れさせることなく爆風スランプのライブへ突入していく。「えらいこっちゃ」では、バーベQ和佐田の怒涛のスラップベース、ファンキー末吉のドラムソロ、そしてパッパラー河合のギターソロと、あいさつ代わりに“スーパーな”演奏力の高さを見せつけていく。 会場に集まったオーディエンスの多くは、中高年の人たち。全員青春の真っ只中にいるように目をキラキラ輝かせ、爆風スランプの演奏に没頭していた。サンプラザ中野くんは「あのときの中高生が今、中高年に! 中高年の方が中学生よりも自由に動けます。使えるお金もあります。今回のライブは“IKIGAI”がテーマですけど、裏テーマは“中高年”です。中高年パワー!」と会場をあおった。 中盤では、パッパラー河合がボーカルを担当する楽曲「スーパーラップX」をサンプラザ中野くん以外の3人で披露。かなりアバンギャルドで変則的な演奏に、パフォーマンス後に加わったサンプラザ中野くんが「よかった! 感動した」と素直な感想を口にする場面があった。バンドはそのまま“出身地マイラブシリーズ”の誰のバージョンを歌うかで真剣勝負のジャンケンを繰り広げ、結果バーベQ和佐田が一撃で勝ち抜け、「京都マイ・ラブ」を披露した。 「涙2」に続いて本編最後の曲は「Runner」。その前のMCでサンプラザ中野くんが語ったことは爆風スランプというバンドの本質を物語っているかのよう。「昨日の朝、(江川)ほーじんの夢を見て起きました。爆風スランプのどっかの野外ライブのステージに、和佐田さんがいるにも関わらずベースを持って駆け上がってきて、すごい元気で、前よりもハンサムになって、ベースを弾き散らかして盛り上がっていました。最高のベーシストを2人も抱えて、本当に幸せなバンドだと思います。いつかダブルベースでお贈りできたらいいなと思います」。 アンコールは「耳たぶ」~「目ん玉」のパッパラー河合による一人パフォーマンスにファンキー末吉とバーベQ和佐田がコントで加わるという始まりから、新曲「IKIGAI」へ突入という予想外の流れ。さらに「旅人よ~The Longest Journey」、最後は「大きな玉ねぎの下で」でオーディエンス全員の背中を押して40周年ツアーの全日程を終えた。 サンプラザ中野くんは「いつとは言いませんけど、大きな玉ねぎの下でやりたい。でもそこがゴールじゃないよ。そこからまた新しいスタートだから」と呼びかけ、大盛況のなか閉幕した。 【セットリスト】 M1.リゾ・ラバ M2.えらいこっちゃ M3.月光 M4.夕焼け物語 M5.War M6.まっくろけ M7.それから M8.スーパーラップX M9.京都マイ・ラブ M10.たいやきやいた M11.ひどく暑かった日のラブソング M12.よい~うわさになりたい M13.涙2 M14.Runner EN1 耳たぶ~目ん玉 IKIGAI 旅人よ~The Longest Journey EN2 THE BLUE BUS BLUES 大きな玉ねぎの下で