再生可能エネルギーの固定価格買取制度 / 買い取りは進んでいるの?
発電設備がなかなか稼働しないわけ
発電設備の稼働が少ない理由としては、まず発電に必要な機材の供給が、需要に追いついていないことが挙げられます。設備認定が集中している太陽光発電は、太陽光パネルなどの調達にかなり時間がかかっているようです。また、エネルギー買取価格が高い小型風力も、風車の性能評価に費用がかさみ、なかなか普及へと至らないようです。 固定買取価格は先にも述べたように毎年変わりますが、初年度は太陽光発電で1 kW時42円という高水準に設定されていたため、駆け込み申請が多かったと考えることもできます。ひとまず高値で買い取ってもらえる権利を獲得し、機材の価格など導入コストが落ち着くまで待つというケースもあるのでしょう。初年度の高い買取価格に目をつけ、権利を転売するために申請したとされるブローカーの存在も囁かれています。 また新設計画に対し、電力会社の送電網の容量が不足しているという問題もあります。2013年6月24日付けの読売新聞によると、全国のメガソーラー(大規模太陽光発電所)における計画容量の15%を占める北海道で、道内の市町村が把握する出力1000 kW以上のメガソーラー計画の状況を調べたところ、「2012年度の計画のうち、北海道電力の送電線の容量不足で7件が頓挫している」ことがわかっています。計画された出力の52%にあたる14万7500kWが行き場を失っており、制度が十分に活用できるとはいえない体制です。 大きな可能性を秘めているFITですが、再生可能エネルギーを有効に活用するには、さらなる環境の整備が必要です。 (Sherpa/編集プロダクション)