“可愛い”を愛する男子高校生、喫茶店でメイド服を着る…自分の気持ちを大切にした姿に「素敵過ぎ」「控えめにいって最高」の声【作者インタビュー】
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、月刊ガンガンJOKERにて読切掲載された由紀円香さんの『男の子もメイド服でかわいくなっていいですか?』(投稿時タイトル『地味なクラスメイト(男)と放課後会ったらメイド服着てた』)をピックアップ。 【漫画】喫茶店を立て直すため、男子高校生がメイド服で給仕…可愛い作画に称賛の声「えっっっぐい可愛い」 2024年10月16日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、6.5万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、由紀円香さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。 ■メイド服を着るクラスメイトに出会い、自分の気持ちに素直になれた男子高校生 高校生の梶は子供の頃、可愛い服を着るのが大好きだった。しかし、自分の気持ちを主張するのが苦手だった為、成長と共に周りの目を気にして可愛い格好をすることから遠ざかるようになっていた。ある日、姉に頼まれてクローゼットからワンピースを取り出すと、昔、よく姉の服を借りていたことを思い出し、手にしていたフリルたっぷりのワンピースを身体にあててみた。17歳になった今でも結構似合うのでは…と思う梶。そして、再び可愛い服への関心が高まり始めた頃、喫茶店でメイド服を着て給仕するクラスメイトの男子・御子柴と出会う。 御子柴は“世界で一番似合う服だし、好きだから”という理由でメイド服を着ていた。周囲の目は全く気にしていない様子だ。そして、梶は喫茶店の高価なカップを割ってしまったことから弁償の代わりとして御子柴と一緒に働くことになる。 最初はメイド服を抵抗し、男性用の制服で働き始めた。しかし、お店の経営難からもうすぐ閉店するという話を聞き、寂しさを感じた梶は“男の子がメイド服を着て給仕する”ことをアピールポイントにして集客しようと提案。そして、本心では着てみたいと思っていたメイド服を梶自身も着ること決めるのだった。 梶のメイド姿は御子柴をはじめ常連客たちにも認められ、安心と共に嬉しさが込み上げた。御子柴と梶、2人の男子高校生がメイド服姿で給仕する喫茶店が今、スタートする――。 本作の投稿には、「メイド服は正義!」「眼福眼福…」などメイド姿を称賛する声や、「可愛いに対しての姿勢が素敵過ぎて」といった好きなものを素直に好きと言える主人公たちに対する反響も多く寄せられている。 ■作者・由紀円香さん「『自分』と『世間』の間で悩む人は結構いるのかもしれない」 ――『男の子もメイド服でかわいくなっていいですか?』を創作したきっかけや理由などをお教えください。 趣味でプレイしていたゲームに対する疑問が本作の起点にあると思います。このゲームにはキャラクターの着せ替え機能があったのですが、男の子のキャラクターはメイド服が着られないシステムになっていて、「なぜ男の子はメイド服を着られないのか」ということが純粋に疑問だと感じたことが本作のテーマを考えるきっかけになっています。 このような疑問を抱いていた折にガンガンJOKERの担当編集者と読切作品企画の打ち合わせを行い、「男の子がメイド服を着る…っていいと思う!!」という結論に至り本格的に制作を始めました。 ――メイド服を着た男の子を描くにあたり、作画でこだわった部分や力を入れたポイントをお教えいただいてもよろしいでしょうか? メイド服を描くうえでこだわった部分は「本物っぽいフリルを描く」ことです。布の厚みなども描いているので、注目してもらえると嬉しいです。 キャラクターを描くうえでこだわった部分は、ネームで描いた表情を生かして仕上げることと、体型や骨格を男性として描くことです。背景にも自分がイメージする「純喫茶」の雰囲気が反映されるようこだわりを持って仕上げたので、隅々まで楽しんでもらえれば嬉しいです。 ――本作の中で、由紀円香さんにとって特にお気に入りのシーンやセリフを理由とあわせてお教えください。 特に気に入っているのはメイド服を着た梶くんに御子柴くんが「かわいい」と言っているシーンです。理由としては、「かわいい」と言ってもらいたい梶くんの密かな願望が正面から受け止められているようなシーンにしたいという意図が、ネームの表情の良さを残して完成原稿にできたと思うからです。 ――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響への感想をお聞かせいただけますでしょうか。 多くの反響をいただいてありがたい限りです。送っていただいたコメントの中には、「自分は男性だが、実はかわいいものが大好き。しかしこれを周囲へ公表するのが怖いと思う。」といった内容もあり、主人公の梶くんのように「自分」と「世間」の間で悩む人は結構いるのかもしれない、という感想を抱きました。 ――今後の展望・目標をお教えください。 今後、本作をより楽しんでもらえる形にして連載という形で届けられないかと準備中です。 潮流の速い現代では厳しい選択かもしれませんが、今すぐに梶くんと御子柴くんのストーリーを進めることを選ばず、あえて一旦立ち止まって彼らの今後をよく考えて準備を進めたいと思います。 ――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。 梶くんと御子柴くんの新しいエピソードを公開できるまでしばらく間が空くかもしれませんが、より充実した内容を読者のみなさんにお届けしたいと思っています。今後の情報は作者のX(旧Twitter)を中心に告知します。本作を気に入っていただけた方はぜひフォローをよろしくお願いします。