近鉄百貨店東大阪店に菊のディスプレー 東大阪・玉串地域の花生産PR
近鉄布施駅1階にある近鉄百貨店東大阪店(東大阪市長堂1)カジュアルスポット「フッセ」内ユニクロ前特設コーナーに12月11日、東大阪市の玉串地域で生産した菊を使ったディスプレーが登場した。(東大阪経済新聞) 【写真】加藤利子さんが製作した玉串地域の菊を使ったクリスマスリース 東大阪市によると、玉串地域は昔から花の生産が盛んな地域で、明治後半にはケイトウやキンセンカなどの仏花が作られ、大正中期からは夏菊が作られるようになったという。都市化や高齢化などにより花卉(かき)農家の戸数は減っているが、現在も菊を中心とした花卉栽培が行われており、卸売市場や直売所に出荷している。 市農政課では、玉串地域の花の生産を広く知ってもらおうと、来店者の多い百貨店でのPRを企画。フローリスト2人が玉串地域の菊を使ったフラワーディスプレーを製作し、同地域の花卉生産の歴史や菊の生産について紹介するポスターと共に展示している。 菊を使ったフラワーアレンジメント教室を開いている「Breath(ブレス)」で講師を務める加藤利子さんは、菊をオーナメントに使ったクリスマスリースを製作。6人の菊農家からスプレーマムやポンポンマムなど約80本を仕入れ、ヒバ、ブルーアイス、東大阪産のユーカリと合わせ、直径約1メートルのリースに仕上げた。 加藤さんは「菊は和花のイメージがあるが、玉串地域でも洋花の品種が増えてきた。仏花のイメージを払拭したいので、毎年、市やJAで菊を使うリース作りをしている。色が多く長持ちするので、一輪挿しやオーナメントなど家庭でも使ってもらえたら」と話す。 清水信行さんは、菊のほか、ガーベラやヒマワリなど多品目多品種を生産する花卉農家。自身が生産した花を使ったアレンジメントやブーケなどを販売するフラワーショップ「shimizu garden」も経営している。展示作品について、清水さんは「都会の一角にある森のクリスマスをイメージし、菊もクリスマスに合うような使い方ができるということを表現したいと、このような作品を作った」と話す。作品に使うラミラ、トスカーナ、マンダリンなどの菊やガーベラは清水さんが生産したもので、近隣農家の花も合わせ、菊7種類、ガーベラ5種類などを使って製作した。 清水さんは「(菊農家は)祖父の代から続いており、伝統を守っていきたい思いもあるし、菊には販売力もあると思っている。東大阪はものづくりのまちと言われているが、工場だけでなく、畑でもものづくりをしていると伝えていきたい」と話す。 農政課の西村圭介さんは「東大阪市は花の生産のイメージがあまりないと思う。より多くの人に知ってもらうきっかけになればと今回のPR企画を考えた。今後も東大阪の農産物の魅力発信を続けていきたい」と話す。 展示は花の状態によるが、12月18日ごろまで行う。
みんなの経済新聞ネットワーク