ステーブルコインのテザーが時価総額1000億ドル超え──暗号資産取引の盛り上がりで
CoinGeckoのデータによると、暗号資産(仮想通貨)市場の上昇が加速する中、テザー(Tether)社が発行したステーブルコインであるテザー(USDT)は一時、時価総額が初めて1000億ドル(約15兆円、1ドル150円換算)の大台に達した。
価格プレミアムで1000億ドルに
テザー社のウェブサイトによると、テザーの枚数は約995億枚だったが、一部の取引所でペッグされている1ドルをわずかに上回る価格プレミアムが発生したことにより、時価総額が一時的に1000億ドル以上に押し上げられたという。 ビットコイン(BTC)が過去最高値にさらに近づいた暗号資産取引の盛り上がりの恩恵を受け、テザーの現在の成長ペースが続けば、間もなく再度この大台をしっかりと超えるものと見込まれる。供給量は直近1週間で20億ドル増加した。
2014年にスタートしたステーブルコイン
テザーは最も人気のあるステーブルコインであり、デジタル資産市場における重要な資金経路だ。伝統的な法定通貨とブロックチェーンベースの市場の間の橋渡しとして機能し、市場参加者に取引やレンディングのための流動性を提供している。また、開発途上地域では伝統的な銀行システムを使わずに米ドルにアクセスするために送金・貯蓄用途で使用されるケースも増えている。 テザー社の歴史は2014年に遡る。同社はまずブロックチェーン上での法定通貨の送金を支援するためにビットコインネットワーク上で「リアルコイン(realcoin)」と呼ばれるドルに裏付けられたデジタル通貨を発行した。同年中にリアルコインはテザーにリブランドされた。それ以来、テザーは多数のブロックチェーンで利用できるようになり、テザー社は金や他の通貨にペッグされた複数のステーブルコインを立ち上げた。 テザーの時価総額は2020年から2021年にかけての暗号資産強気市場で急騰し、2022年半ばまでに40億ドルから830億ドルまで成長。中央集権型取引所で暗号資産価格に対する取引ペアとして広く利用されるようになった。